緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

旅に学ぶ~人生を乗り切るには折り合いのつけ方を覚えること

2017年08月20日 | つれづれ

怒涛のような学術大会が終わり、
暫定指導医10年経過による専門医申請のための
症例報告作成準備に1か月費やし、
リフレッシュのための旅行に出ています。

こうしたときに、
日本は、・・・だからやっぱりいいなあ
日本にいて幸せだなあ
って感じる場面が多々あります。

では、その土地土地の方々は
日本に比較してどうなのか・・というと
良し悪しや幸せの逆の不幸なのかということ
そういうことではなく、
そこに折り合いをつけて生活している力強さに
大いなる刺激を受けます。






例えば、とても暑い地域にいると
日本は温暖でやっぱりいいなあと感じます。
では、その地域は暑くてダメな地域かというと
そうではなく、
暑いなりに、上手く工夫をして
暮らしている人々に感嘆するのです。





今、クロアチア スピリットという街にいるのですが、
ディオクレティアヌスが皇帝を退いた後の
隠居生活をしていた宮殿があり、
旧市街地と呼ばれているところに宿泊しています。

300年前後のこの宮殿、ローマ帝国が滅亡したあと、
7世紀になって異民族が追われてこの地に入ってきたとき、
城砦に覆われたこの地に居住場所を作ったといわれています。




いずれも、出典は以下
Wikipedia ディオクレティアヌス宮殿

 



この建物には地上の構造と同じ
地下があり、そこはゴミ置き場になって埋まっていたことで、
破壊されず保存されていたのだそうです。

この旧市街、沢山の土産物屋、ホテルがひしめき、
夜も大変賑わいでいます。

https://www.instagram.com/p/BYAuFXlhhXL/?hl=ja&taken-by=coco_aruga

(すみません、このブログ、動画投稿が上手くできず、
その夜の様子をアップしているリンクを張ってみました)

街全体が世界遺産にも関わらず
とてもゴミゴミしていて、
落書きも見受けられます。
小さな店は客引きに余念がなく、
日本の世界遺産の格調高さに
当初、ほれぼれしていました。

過去の宝を今の誇りと権威として大切にする心が
日本の世界遺産にはあります。



しかし、時間がたつにしたがって、
こうした地域に住む人々の
力強さを感じるようになりました。

多民族が入交り、
生きていく手段として歴史をとらえ、
それが、今、現在も手段となり続けていること。

今まで気づかなかったことでした。
また、これも一つのあり方なのだと
実感しました。

ディオクレティアヌスは
キリスト教を迫害したことは有名ですが、
退官すぐの313年には公認され、
この地、廟と同じ敷地に
洗礼室としてヨハネ像がおかれ、
教会も設置されていたように、
矛盾も歴史には圧倒されるものなのだと
感じ入りました。





旅行に出ていて思うのは、
自分で気が付かないような
環境や出来事などで
新たに気づく機会をもらえることが
その場、その時にならなければわからない
偶然との遭遇だということです。

日本の良さを知ることで
自分の中のこれでよいのだということと
異なることを見出すことで、
その良さをを超えて生きている人々の
力強さに刺激をもらえることなのだと
思いました。

そして、多くの見送った患者さんに言われたこと
どんなに忙しいと思っても、
自分のための時間と実感できる時の確保は
自分を変えていくためにも
大切なことだと思います。


そして、改めて、

人生は旅路

死へ向かうのは冒険

という言葉を心に浮かべます。



人生を乗り切るには折り合いのつけ方を覚えることを
今回の旅で改めて、意識したように思います。


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