「この間の方に似た症状だったので、前回教えていただいたように処方してみたのですが、症状がもう一つとれないんです。」某レジデントからの電話。
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膵がんで、外来化学療法中。 腹水が溜まっているが穿刺して抜けるほどではなく、排便も毎日あるけれど、腹部膨満感があって不快な感じが続いているようでした。腫瘤は膵尾部に3cmほど。
前回の方は、同じ膵がんでしたが腹水と腸閉塞傾向が認められ明らかな腹部膨満の原因があり、すでにオピオイドが投与されていたことから、少量のステロイドを勧めたところ、著効しました。 それに準じてみたと・・
今回の方は、腹部膨満の原因になる腹水も腸管拡張もありません。 現在の投与薬剤を聞いてみたところ、NSAIDsはザルトプロフェン、オピオイドは未投与。
これらのことから、腹部膨満感は軽微ながん性疼痛の一つの表れであり、腹水があることからがん性腹膜炎がそこにかぶっているがNSAIDsだけでは不十分な状態、腫瘤は小さくまだ腹腔神経叢を浸潤するような神経障害性疼痛ではないので鎮痛補助薬は必要なし、と判断し、まずはNSAIDsにオピオイドを併用開始してもらうこととしました。
さすが、レジデントともなると身体所見はキチンととれており、鎮痛薬を判断する十分な情報を得られていました。 ちょうどその前に研修医から電話があったのですが、いつもの、「痛いって言ってるんですが・・」という範疇で、病態との照らし合わせは誘導しないとたどりつけなかっただけに、”レジ流石だなあ” と感心しながらやり取りをしていました。 ちなみに、オピオイドを開始したら?というと、「○○ 何mgでいこうと思いますが・・」とこれまた切れ味がよいのです。 もちろん副作用対策がキチンとできることは、今までの関わりで十分予想できます。 こういう治療医が増えてほしいものです。
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