緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

懐かしい声

2009年02月19日 | 医療

ずっと前に・・

外来でがん治療と並行して
疼痛コントロールを続けていた患者さんがいらっしゃいました。
ぎりぎりまで在宅で、
そして、最後の数日間、
入院主治医になって看取らせて頂きました。

その方の娘さんに、最近、お電話をすることがありました。

お電話の声に、

ああ・・
聞きなれた声・・

懐かしさでいっぱいでした。

年単位でお目にかかっていなかったのですが、
何度も、何度も話し合った
あの時の娘さんの声でした。




患者さんは、
早期からの緩和ケアが大事よって
ずっと言ってくださっていました。

TVの取材にご協力くださり、
そして他界されました。




何かお役に立てると・・

そう言ってくださったことを思い出し、
その時のTVの録画を、
先日、ここでご紹介した2月28日の公開講座で使うことのご了解を
娘さんに頂くことができました。



今、私が勤務している病院は、
実は・・・・・
その患者さんが最初に治療を受けていた病院でした。

そこに緩和医療科があればねえ・・って
お話くださっていました。

その患者さんから、緩和医療が必要だと聞いていた病院に
私はその整備のために、
偶然ではありますが、
異動することになったのでした。

最初に、異動の話をもらった時、
ああ・・あの方が私を結び付けてくださったのだなあと縁を感じました。




今回の娘さんへのお電話で、
まずはそのご報告をさせて頂きました。
娘さんも喜んでくださったことが、また、励みになっています。



亡くなっても尚、私の中では患者さんは生き続いてくださっています。

28日・・

すでに560名を超える方の参加連絡がきていると報告を貰いました。

多くの方の心にきっと、届くと思っています。

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3 コメント

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こんにちわ (レンコン)
2009-02-21 12:11:12
先日はじめてコメントしたのに対してお返事していただいて、とても感激しています。先生が以前関わった患者さんが今も先生の中で生きて緩和医療に活かされているなんて、とても感激しました。私達医療現場にいると忙しさに流されてしまうことが多いのですが、一人一人の患者さんの命と関わるということは、学ぶこともとても多いんですよね。私はそれをうまく活かせなくて、せいぜい後輩に伝えるくらいでしかないのですが、先生はしっかり緩和医療科の立ち上げにつなげていけて、すばらしいなーと感心してしまいます。28日盛況であることを祈っています。
返信する
結びつき (えび)
2009-02-21 20:23:19
巡り合わせというのでしょうか、
これもまたご縁というのでしょうか、

その患者さんの
“来てくださったのね!”という
お声が聞こえそうです

少し月日が経ってから、
過去のあることが 今していることに
繋がっている、と感じることがあるのですね
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2009-02-21 23:21:56
レンコンさん
温かなメッセージをありがとうございます。

>せいぜい後輩に伝えるくらいでしかないのですが
しっかりと繋いでいらっしゃっていて、きっと、患者さんはレンコンさんの後輩さんの中でも、育くまれていっているのではないかしら。

えびさん
>少し月日が経ってから、過去のあることが 今していることに繋がっている、と感じることがあるのですね

まさしく、そういう感覚です。
その時は精いっぱいだったりするのですが、大きな力で守られているような、一人ではないようなそんな感じです。
漠然と感じていたことを、こうしてえびさんに言葉にしてコメントを頂くと、感慨深いです。
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