先週書いたNHKのあさイチ。
それ以降、NHKには距離を置いていました。
今年の4月、病院総務課からTVの出演依頼が来ていると連絡がありました。
今年の4月、病院総務課からTVの出演依頼が来ていると連絡がありました。
NHKのきょうの健康でした。
簡単な内容について添付されていました。
3回シリーズで、第1回胃瘻、第2回気管切開、第3回緩和ケアというのです。
スケジュールはよく覚えていないのですが、原稿作成開始から2か月より短い放送予定だったように思います。
ありえない・・
正式な回答をする前に、電話等で話をしたいと申し入れをしました。
正式な回答をする前に、電話等で話をしたいと申し入れをしました。
第1回:高齢者や神経難病の胃瘻
第2回:慢性閉そく性肺疾患(COPD)の気管切開(!)
2回とも実施しないことの選択を念頭においた番組の後、
第3回:緩和ケア
依頼は、あくまでも3回目のみとのことでした。
またか・・
そもそもCOPDで気管切開?
胃瘻、気切をしない選択について15分番組?
倫理的配慮はどうなっているの?
3回シリーズでなぜ、この2つの後、3回目に緩和ケアを入れるの?
連絡はNHKの企画者ではなく、外部委託のプロディーサーからが大半です。
企画会議でNHKの監修者から言われたから・・
という理由しか話してもらえないことが多く、ご自分で理解して説明できる方はそもそもまれです。
企画会議でNHKの監修者から言われたから・・
という理由しか話してもらえないことが多く、ご自分で理解して説明できる方はそもそもまれです。
COPDは勉強不足ですみません。
先生には3回目の緩和ケアのみで大丈夫です。
”超高齢者の疾病ではなく衰弱で食べられなくなった時の胃瘻”と、
”神経難病や頭頚部がんで通過障害を起こした時の胃瘻”とは
異なる問題を含んでいます。
特に、後者は倫理的に慎重な番組つくりが必要になります。
15分でそれを伝えられますか?
気管切開は、例に挙げている症例は適切ではないですから、担当される講師の方としっかりと詰める必要があります。
気管切開は、例に挙げている症例は適切ではないですから、担当される講師の方としっかりと詰める必要があります。
この2回分に対し
緩和ケアは、企画書には「緩和ケアの定義」、「痛みの治療」などが挙げられていますが、胃瘻や気管切開の症例とどのようにつながっていますか。
胃瘻、気切は、
「痛み」ではなく、
「嘔吐や嚥下障害」の緩和、
「呼吸困難」の緩和
「嘔吐や嚥下障害」の緩和、
「呼吸困難」の緩和
なら理解できます。
が、企画書ではつながっていません。
独立した緩和ケアの話でよいです。
それなら、なぜ、3回シリーズなのでしょうか。
緩和ケアのみ独立しているなら、シリーズ外の企画でよいのでは?
・・・・
倫理的に問題を含むような内容を扱う時に
独立した緩和ケアの話でよいです。
それなら、なぜ、3回シリーズなのでしょうか。
緩和ケアのみ独立しているなら、シリーズ外の企画でよいのでは?
・・・・
倫理的に問題を含むような内容を扱う時に
その緩衝材として、
つまり、問題を単に薄めるだけの目的で
緩和ケアを利用していませんか?
過去にもそのようなことがありました。
過去にもそのようなことがありました。
すみません。
企画会議で決まったことで
私は勉強不足でした。
胃瘻や気切はもっと慎重にならなければいけないテーマです。
疾患による障害ー例えば
神経難病の患者さんに対して胃瘻・気管切開を置かないことを前提にした番組を作るべきではありません。
生きる権利を奪わないこと、選択する権利を尊重すること。
これらの問題についてもっと時間をかけて議論してください。
気づいていませんでした。
そのうえでテーマを変えない場合は
緩和ケアの役割は、患者さん・ご家族の「意思決定支援」にフォーカスすべきです。
さらに、それに関連する症状緩和ーつまり
「胃瘻や気管切開を行わない時の代替療法」の情報提供は倫理的問題の補完になります。
おっしゃる通りです。
このお電話で初めて気づかされました。
企画が進む前でよかったです。
私の勉強が足りませんでした。
企画会議全体の問題ではないでしょうか。
今一度、企画案の見直しをしてください。
見直した上で、私に限定せず、広く見渡して最も適していると思う講師を選定しなおしてください。
わかりました。
お時間頂いて、ありがとうございました。
外部委託されたプロディーサーの方は、とても真摯な方でした。
問題がどこにあるかは、すぐに理解してくださいました。
しばらくして、連絡がきました。
番組を一旦リセット、企画を修正し、別の講師の依頼するとの報告でした。
最終的にどのような番組になったかは、手を離れたものなので、見ていません。
NHK社内の方々・・
あいかわらずだな・・
最終的にどのような番組になったかは、手を離れたものなので、見ていません。
NHK社内の方々・・
あいかわらずだな・・
と思いつつ・・
高齢者であっても、高齢者でなかったとしても、治療が医療を決めるのではなく、患者が医療を決めるのが基本だと思います。
aruga
というより、何にもわからないまま、こんなとこかな・・と誤った軸で提案してきたという感じです。
きょうの健康は、軸は決めてくるのですが、その後のシナリオは最初の案をほとんど書き換えても嫌な顔はされません。
でも、この時のように軸自体が倫理的に誤っていると、こちらにも責任が生じますから、その修正ののために大変なエネルギーを取られてしまいかねないのです。それを2か月以内に放送にもっていくというのは信じられない位大変なことなのです。(過去に2回経験しました)
少なくても、Eテレは正しいことを放送したいという姿勢はある印象です。
aruga
もしも、今回先生とのお話がなければそのまま放送されてたかもしれませんよね。
特に医療にかかわることは、見てる方、聞いて方は、それでなくてもエッセンスや自分の考えと同じところしか記憶しないことが多いですから、NHKでやってることだから信じるとなると、もしかしたら誤った情報になってしまうかもしれませんね。
そうなんですよ。
NHKだからという感覚、ありますよね。
責任があると思います。
ただ、依頼を受ける医療者なら違和感を感じたと思いますから、私でなくても同じことは起きていたのではないかと思いますが…
コメント、ありがとうございました!
aruga
委託を受けた外部プロデューサーなら、NHKが評価をしてくれる物分りの良い番組を作りたいでしょうから、尚更ですね。
おっしゃる通りです。
でも、このプロデューサーさん、誠実な方で良かったです。
aruga