宮田さんは、乳がんの手術後
治療を行わないことを自己選択されました。
死へ向かう枕元で
亡くなる前日まで歌を読まれていました。
治療を行わないことを自己選択されました。
死へ向かう枕元で
亡くなる前日まで歌を読まれていました。
乳がんで乳房を切った女たち夜風に揺れる野の花となれ
モルヒネを飲む朝白く天高くツルを伸ばすわ朝顔の花
モルヒネも効かぬ五月の病床であなたの指に指をからめる
死にきれぬ浜辺に冬日の射しにけりこころ空(うつ)ろに石拾うなり
胸深し傷より涙あふれいず時雨(しぐれ)に溶けて落ち葉ぬらさん
生きていることに疲れて真夜中に泣くわたくしを抱きしめに来て
静脈やいのち支えし青き河かなしき流れよ一条(ひとすじ)の孤独
(つづきます)