緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ユミさんと桜(4)

2008年03月30日 | 医療
 

その頃から、スパイク状の熱が出るようになりました。
熱の間隔が短くなってきたとき、急な激痛を訴えました。
腸管穿孔でした。
モルヒネの皮下注射の増量が痛みに間に合わず
鎮静をかけざる終えない状況になりました。

ユミさんに説明しました。
その時、感覚的に最期が近いと悟られたのでしょう。
「私これからどうなる?」

その数日前に
死ぬということは蛹から蝶になるようなことかもしれない
とアメリカの友人が言っていたことが話題になったのですが
それを思い出し
「これから・・ 蝶になるのかもしれない」
と伝えたことを覚えています。

モルヒネを何度も早送りで投与しながら
鎮静剤を準備していました。
苦痛の中、ユミさんとご主人の最期の時間でした。


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