この時の話が、
今、私が呼吸困難感の調整方法を説明するときの
基礎になっています。
一回換気をするとき、
気管支分はしっかり吐いて、
しっかり吸い込まないと、
気管支の先にある肺胞に酸素を到達させることはできません。
つまり、気管支分も
たとえ話のホースにあたり、
死腔(デッドスペース)と同じなわけです。
40回/分の頻呼吸をしていると
速くて浅い呼吸ですから、
数CCの空気が気管支の中をただ動いているだけになり
二酸化炭素をしっかり吐いて
酸素をしっかりとりこむに至らないのです。
ところが、モルヒネを投与して、この呼吸数を20回台に調整すると
基本的には、そう一回換気量は変えないと言われつつも
結果的に、ゆっくりと吐いて、吸うことができるため
外気を取り込めるようになり
血中の酸素濃度も改善を認めることがあるのです。
ただし、これは、頻呼吸の呼吸困難感での話であって
気管狭窄を伴った呼吸困難感などの場合は
異なってきます。
中枢側に狭窄があって
呼吸回数を落とすと
呼吸状態は悪化します。
ごく少量のモルヒネであれば、
不安の減少による呼吸困難感の軽快を認めますが
呼吸数に影響がでるほど十分な量を投与すると
狭くて、呼吸数が減れば、
二酸化炭素がたまってしまいます。
ですから、
中枢側に狭窄があるときは
ステロイドの併用が鍵になるわけです。
大学時代のこの講義は、
当時、出身大学の麻酔科の教授でいらした土肥先生のものでした。
先週の土曜日・・・
参加した研究会で
なんと、
何十年ぶりかで
土肥先生にお目にかかりました!
とても、
とても、
懐かしく
でも、先生は当時と
まったくお変わりありませんでした。
今なお、卒業生に影響を与え続けた先生の講義は
大変、魅力的で
私も、そんな講義ができる教員でありたいと
思っています。
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症状緩和は、患者さんの困り度で開始を決めていきます。軽い呼吸苦でもそれによって生活に支障が出ていれば開始しますし、重くても様子を見たいということであれば、見守ります。
ただし、呼吸数が30台後半/分以上で幾つかの客観指標(sO2など)が悪化している場合は、及ぼす影響を説明し、薬剤チャレンジによる効果を見ていくこともあります。
要は、症状とそれによる支障を一番実感している患者さんに、医学的な意味と医師としての考えを十分説明し、スタートは患者さんに決めてもらうというのが大切だと思っています。
三重・・私もとても、楽しみです!
実は、その前日、往復5時間の所に、夕方から出張で、そして、三重・・
最近、一つ年をとり、昔ほどの体力がなくなってきたなあと現実的になってきました・・
先生の文章に、呼吸の話だけでなく、なんだかほっとさせられました。
(私は大学時代三重にいましたーいいとこです)
>追い詰められていて・・
気になりました。
何かがjunさんを追い詰めてしまったのかしら・・
ほっと~という言葉に、ちょっとほっとしましたが・・
大学時代は三重だったのですか。楽しみです。