緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

コーラスラインからのヒント(2)

2007年06月02日 | 医療

患者さんとご家族の心の自立・・

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自分達の足で歩むことができるようにするには
エネルギー
を必要とします。

そのために、不快な症状をできるだけ緩和し、
患者さんが人生のどの位置にいるのか示してあげることや
今後起こりえる症状を説明すること。

医療者が心を穏やかにしてあげるわけではないのです。

医療者が行う心のケアとは
漠然とした不安を、具体的に整理することだと思っています。

整理した後、それを解決したり
了解したりするのは患者さん・ご家族自身なのです。

緩和ケアとは、理想郷や桃源郷の提供ではありません。

持っているエネルギーを最大限発揮できるようにするのが役割であり
そのエネルギーをどのようにつかうのかは
患者さん・ご家族なのだと思っています。

この一連のことを教えてくださった
沢山の患者さん・ご家族に心から感謝しています。
そして、靭帯損傷という喪失体験等
このことを理解できる下地を与えられたことに感謝しています。

(このような症状緩和や心理支援は、患者さんの予後(残された時間)や意識レベル、衰弱の程度によって、アプローチの方法は異なってきます。一般論としてとらえて頂きますように。)
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