新説百物語巻之四 6、長命の女の事
2023.2
京都四条に檜皮屋(ひわだや:ヒノキの皮の屋根葺き職人)がいた。
近江の者であって、京へ奉公に出て、年季奉公を無事に終えて、帰郷した。
その父親は、近江に住んでいたが、六十歳の時に五十歳になる女房をむかえた。
女房が五十四歳で初産をした。
その産まれたのが、この檜皮屋(ひわだや:屋根職人)である。
それより段々と十人の子を設けた。
宝暦十二の年、この長男である檜皮屋は、八十四歳であった。
父はすでに亡くなり、母は百三拾七歳で、存命であった。
しかし、六十歳ばかりに見えた、とのことである。
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