江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

江戸時代を中心とした、面白い話を、探して、紹介します。

安倍睛明 、「本朝神社考」に見える その2

2020-01-09 19:32:48 | 安倍晴明、役行者
安倍睛明 、「本朝神社考」に見える その2
                               2020.1
2、睛明達が、瓜の中の蛇を透視した
  (これは、仮の題です。)

術家が、藤原道長に申し上げた故事は、この様であった。
その日、藤原家の内に怪異があった。
その時、道長は、門を閉じて、来客を断っていた。

しかし、夕暮れて、門を叩くものがあった。
問いただすと、「和州(わしゅう、大和の国、今の奈良県)の瓜を運んで来た者です。」との答えであった。
門を開いて、これを受け取り、納めた。

その時、大史の安倍睛明(あべのせいめい)、大医の重雅(しげまさ)、僧の勧修(かんしゅう)が、その場にいた。
道長は、安倍大史の方に顔を向けて尋ねた。
「我が家では、今 御祓いをしている、この瓜を食べても良いのか?」と。
晴明が答えた。
「瓜の中には、毒があります。食べては、いけません。」
道長は、「瓜に、毒があるはずが無いだろう。」と言った。

睛明が、呪文を唱えると、忽ち一つの瓜がガタガタと動き出した。
一座の者は、驚き怪しんだ。
重雅は、袖から一つの針を取り出して、瓜を刺した。すると動きが止まった。
その瓜を割って見ると、中には毒蛇がいて、針がその眼に刺さっていた。
術家の言葉というのは、このように恐るべきものであった。
都の町中では、この三人の術が勝れているとの評判になった。

編者注:三人の内の、睛明は陰陽術、医師の重雅は医術、坊さんの勧修は法術の使い手、ということでしょう。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿