江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

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晴明の火除柱の話  「信州百物語」

2021-04-04 18:28:44 | 安倍晴明、役行者

晴明の火除柱の話

岩根岳山麓の大鹿村から、小一里はなれた所に入沢井と言う地がある。

(話は余談にそれたが)
この入沢井の附近の宮下氏の家に、安倍晴明の火除柱(ひよけばしら)と云うものがあるそうである。
これは昔、安倍晴明がここを通行した時、猛烈なオコリを病んで苦んだのを、この宮下氏一家の人によって、非常に親切な看護を受けたため、ようやく回復することが出来た。それを感謝して、ちょうどその時、新しい家屋を普請中であったこの家の柱に、火難除けの護符を封じ込んだ。以来この家は永久に火事の災厄から免れた。
 それのみならず、この家の人々は、決してオコリは病まぬことになっているそうである。

この柱を削ってお守りとすれば、火難除けに効験がある、と遠近から乞はれるそうである。


以上 「信州百物語」より



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