江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

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安倍睛明 、「本朝神社考」に見える その1

2020-01-09 19:24:00 | 安倍晴明、役行者
安倍睛明 、「本朝神社考」に見える その1
                              2020.1
「本朝神社考」には、阿倍睛明の故事が述べられています。3つの故事から、成っています。
「本朝神社考」は、儒学者の林羅山(1583~1657年)の著書です。

以下、本文

1、睛明が花山天皇の退位を予知した
 (これは、仮の題です。)

安部睛明は、安倍仲麻呂の後裔である。加茂保憲に就いて天文を学び、その奥義を窮めた。歴算推歩之術に至った。並ぶものが無かった。

花山院(花山天皇の退位後の呼称。968年~1008年)の、寛和二年、六月二十二日の夜、帝は、式部丞藤原道兼、沙門厳久と、ひそかに宮殿を出た。
路の途中で、晴明の宅の傍らを過ぎた。
睛明は、暑さを避けるため、庭にいた。

睛明は、天を仰ぎ見て、驚いて言った。
「天象は、異を呈している。天子が、位を退こうとしている。何と怪なることであろうか。」
帝は、これを聞いて笑った。

そして、華山寺に入り、薙髪(ていはつ)して、出家し、退位した。
睛明は、宮に入って、事を奏上しようとしたが、帝は、もう既に出家して、宮にはいなかった。

編者注:これは、阿倍睛明が、花山天皇の退位を天の様子から当てたことを、示している。





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