「書生だの浪人だのという連中は、昔から絶えずおれのところへやってくるが、ときには五月蝿いと思うこともあるけれど、しかし、よく考えてみると、かれらが無用意に話す言葉の内には、社会の景況や時勢の変遷が自然にわかって、なかなか味わうべきところがあるよ。匹夫匹婦の言も、虚心平気でこれをきけば、みな天籟だ」(勝海舟「氷川清話」より)
身分や学歴にとらわれすぎて奇麗ごとしか聞けなくなっている現代は、社会の現実が見えなくなっているような気がします。来るもの拒まずどんな人にも分け隔てなく会っていた勝海舟の姿勢こそ現代人は学ぶべきでしょう。