ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

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子宮筋腫の診療ガイドライン その17

2009-01-19 | 子宮筋腫
TLMの手術適応を考える上で、その手術成績(予後)がどうであるかということも大事である。

・妊娠の予後について
きちんと多層縫合をすれば、妊娠予後は開腹と変わらないはずである。分娩中に子宮破裂(もしくは切迫子宮破裂)が起こった場合、すぐに帝切が施行できれば胎児を救命できる可能性は高くなるが、そのためには分娩室と手術室が直結しており、麻酔科医が常駐していなければならない。この医師不足、医療崩壊の時代に、関西で麻酔科医と産科医を病院に常駐させておく余裕があり、上記のような設備の整った病院などない。必然的により安全を期して筋腫核出後は帝切ということになる。

・術後癒着について
どんなに丁寧に手術をしてもある程度の術後癒着は起こる。その程度については、創面をいかにキレイに縫合できたか、愛護的な手術操作ができたかによる。普通は腹腔鏡下筋腫核出術のほうが開腹よりも術後癒着は少ないと思われているが、ラフな手術をすれば腹腔鏡だって癒着は強くなるだろう。また、多発性筋腫の核出後は、子宮は縫い目だらけ。全然癒着しない人もいないではないが、どこかが癒着すると思っていたほうがいい。
コメント
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