演芸見ブんログ

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07/08/07 講談二ツ目時代 ~家光って奴は…~

2007-08-07 | 講談協会
神田春陽…『わんぱく竹千代 竹千代・国松相続 家康の慧眼』

神田織音…『木村の梅の御意見』

《お仲入り》

田辺凌鶴…『保科正之との出会い』

田辺一凜…『寛永三馬術 曲垣平九郎 誉れの梅花 出世の石段』


楽しみにしていた「講談協会」所属の二ツ目さんによる会。
織音さんと凌鶴さんは初見です。
6時開場の日本橋亭前で待っていると一凜さんが楽屋から現れて中に案内。

最初は春陽さん。先日の本牧亭でツボにはまってしまった方です。
今日は「徳川家光」の特集だそうで、春陽さんは家光が竹千代と言っていた頃の弟君国松とのエピソード。
大御所・家康の、人を見抜く力を知らされた内容でした。

織音さんは「へそで茶を沸かす」を、子供の頃に実際に母親と、弟を使って実験したという仰天のエピソードを披露。
本題は大久保彦左衛門が打ち首覚悟で徳川家家宝の「木村の梅」を折ってしまうもの。
さすがに先日聴いた一心太助が仕えていただけあって、この大久保さんも正義感の強い方だったようです。

お仲入りの後は凌鶴さん。スーツを着たら新橋の赤ちょうちんにいるサラリーマンのような雰囲気の方ですが、今朝書き上げたばかりという自作の読み物を披露しました。
家光が国松という弟の他に、腹違いで保科正之という弟が高遠藩にいることを知り、何とかそれを世間に“実は前から知っていたんだよ”というようにできないか?という内容。
寺の和尚や家来たちを丸め込み、方策を考えた後、それを流行りの講談師・田辺凌鶴に読ませる・・・聴いている間は噺にのめり込み、後からサッと落とすという絶妙の一席でした!
一つだけ注文をつけるとしたら、読んでいる間はメガネを外した方がいいかもしれません。松鯉先生も高座に上がる時はメガネをかけていますが、読み物に入ると外します。
場内のライトがメガネに反射するのが気になるのです。
もっとも今日の凌鶴さんは出来上がったばかりの本を釈台の下に置いていましたから、いざというときにはメガネが必要だったのかもしれませんが…。

講談の稽古をしているうちにやたらと出て来る家光が気になり、色々調べていると結構身近に感じて「家光特集」を考えたという一凜さん。
「出世の石段」…実は曲垣平九郎の愛宕山の読み物でした。
神田きらりさんで3回ほど聴いたことがありますが、内容は同じでも読む人によって変わるものですね。
朝青龍にまことちゃんハウス、しまいにはディープインパクトまで登場するという奇想天外な内容。
平九郎に話し掛けられると「ヒヒン」と言って答える馬!
おそらく講談を聴いてこんなに笑ったことはないくらいに笑いました。

で、一凜さんの今日の結論。
「家光って奴は…大して名君じゃないけど、回りが良かった!
本当にそのように実感した、楽しい会でした