演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/08/23 芸協若手特選会~桂伸治の会~(お江戸日本橋亭)

2007-08-23 | 芸協定席見ブんログ
春風亭昇吉…『子ほめ』

昔昔亭A太郎…『元犬』

柳家小蝠…『お見立て』

桂伸治…『ちりとてちん』

春風亭小柳枝…『蛙茶番』

《お仲入り》

桂文月…『笠碁』

鏡味正二郎…「太神楽曲芸」

桂伸治…『宿屋の仇討』


またまた先週土日の疲れが出て、月曜の楽日は見送りました。
もう真理さんのこととなると後先考えずに突っ走ってしまい、しまいには息切れをしてしまうという・・・まるで往年の名(迷?)馬『ツインターボ』状態
それでも火曜には神宮で阪神のミラクル劇に興奮したりと、なんだかんだで疲れも抜けぬまま今日を迎えました。
船橋では春風亭柳之助師匠、新山真理さん、神田ひまわりさんの3人による演芸会があったのですが、断腸の思いで日本橋亭に向かいました。
こちらは伸治師匠の会に文月師匠と、何と言っても小柳枝師匠が出演ですから・・・船橋の演芸会は

客席の前列には常連さんの姿もチラホラ見られ、伸治師匠の人気振りが窺えました。
開口一番は昇吉さん!いつもいつも明るい高座です。
昇吉さんの何が良いって、『いっせやのばんとうさぁぁん!』(伊勢屋の番頭さん)と呼ぶ言い方です。楽しいなぁ

続いては珍しく“エントリーナンバー2番”のA太郎さん。
おなじみの元犬ですが、くすぐり満載の高座でした!

小蝠さんは男の三道楽をマクラに「お見立て」です。
こんなこと言っちゃ失礼ですが、風貌からすると杢兵衛大尽に近い(?)小蝠さんですが、喜瀬川花魁と杢兵衛大尽の間に立つ喜助の気苦労よりも、杢兵衛の融通の利かなさが際立った一席でした。

伸治師匠の1席目は「ちりとてちん」。文治一門では小文治師匠で拝見したことがありますが、何と言っても特筆すべきは虎さんが「ちりとてちん」を食べる場面。
なんとも筆舌し難い表現で、客席からは悲鳴にも似た声が上がりました。

さすがに伸治師匠の会とあっては小柳枝師匠の登場にも『待ってました!』の声を掛ける事ができず・・・
湿気・雷・夕立の3つの小噺から何をかけるかと思ったら・・・。
「この季節には何の関係もない噺で…」と『蛙茶番』でした
そういえば浅草演芸ホールのHPを見たら、今夜のトリは遊三師匠の代演で小柳枝師匠。しかも「禁演落語の会」だけに、この高座の後に浅草でもやったのかもしれません。
生の高座では初めて聴く噺ですが、冒頭の誰が何の役をやるかの部分を省いた内容。
とにかく小柳枝師匠の“定吉”が可愛くて可愛くて・・・。
もっとも小柳枝師匠なら何を演じても良いのですが
場内を大いに沸かせてお仲入りとなりました。

食いつきは文月師匠。碁や将棋に凝るというマクラだったので一瞬「宮戸川」かなと思いましたが、こちらも初めて聴く「笠碁」。
幼なじみの碁敵同士の強情さと友情。特に私が驚いたのが、店の前を行ったり来たりする碁友を目で追う場面。
正直言って文月師匠にこんなにも“目力”があるとは思いませんでした!
目で客を納得させるという、改めて文月師匠の底力を見た思いです

正二郎さんは鞠・五階茶碗・傘
鞠と傘の妙芸もさることながら、やはり五階茶碗の大技には場内からも惜しみない拍手が送られました

トリは伸治師匠の2席目。先週の深夜寄席で花助さんで初めて聴いた「宿屋の仇討」ですが、やっぱり真打ともなると違います。
まずは宿に着いた“始終3人組”がいきなり「かっぽれ」を踊り出します。
これにはお囃子のお姉さんが三味線と唄を入れ、おそらく小蝠さんが太鼓を叩いていたと思いますが、伸治師匠はこの曲に合わせて手拭いでササッと鉢巻を作り、立て膝でかっぽれを踊りました!
お囃子のお姉さんの張りのある声に伸治師匠の思いがけない踊りと、場内からは万雷の拍手
その後の高座も伸治師匠の明るさが存分に出て、とにかく笑いの連続!
本当に楽しい一席を拝見させていただきました

今日は初めて聴く噺が2席に踊りもあって、木戸銭以上に笑って楽しめた会でした
コメント (4)
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