アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

627 アチャコの京都日誌 新シリーズ京都100寺巡礼  80番  滝口寺

2019-06-04 08:56:56 | 日記

仮80番 滝口寺  ※ 後日、47番祇王寺の次になるでしょう。

京都市右京区嵯峨亀山町10-4

山号  小倉山

宗派  浄土宗

本尊  阿弥陀如来

開基  良鎮

 

山門

 

京都のお寺が大好きだ。おすすめ一番はここだ

 

嵯峨野の祇王寺を出るとすぐ隣にあるのが、滝口寺だ。いずれも往生院という念仏修行の大寺院の道場を始まりとしている。正式には三宝寺という。

祇王寺の賑わいに対して訪れる人は少なく、入り口には「拝観の人以外撮影禁止」と張り紙があり、何かあったのかと訝しく思った。本堂なのか方丈なのか誠に普通の開け放たれた建物に、滝口入道と横笛の木造が並べて安置されていた。残念ながら手入れの不十分な庭を眺めながら境内を巡った。出口辺りには、太平記の主役の一人悲運の武将新田義貞と妻の勾当内侍の供養塔もあった。

新田義貞供養塔

さて、滝口寺とは以下の説話による。祇王寺と同様「平家物語」に残る有名な話である。平清盛の長男重盛付きの侍斉藤時頼は、西八条の清盛邸で建礼門院の女官の美女「横笛」の舞姿を見て恋に落ちる。父に気づかれ将来ある時頼に対して諦めるよう説得される。諦めきれない彼は、小松内大臣重盛への信頼を裏切ることは、これこそ「仏道への導き」であると悟り「出家」する。そして、滝口入道と名を変えた時頼は嵯峨野のこの地で念仏三昧の修行に入るが、ある時横笛が訪ねて来る。真の心を伝えたかったのだ。しかし修行の妨げだと面会を断る。さらに高野山へと修行の場を移す。一方、横笛も南都法華寺で尼になる。それを聞いた滝口入道は、一首の歌を送る。

そるまでは 恨みしかとも 梓弓 まことの道に 入るぞ嬉しき

横笛それに返して、

そるとても 何か恨みむ 梓弓 引きとどむべき 心ならねば 

現代の我々には到底理解できない「侍の恋と忠」の物語である。

明治になって、祇王寺と共に復興された時に、高山樗牛作の「小説滝口入道」に因んで滝口寺と通称した。

左 横笛  右 滝口入道

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