89番 蘆山寺
京都市上京区寺町通広小路上がる
山号 日本廬山
宗派 天台宗単立
創建 良源
本尊 阿弥陀三尊像
正式 廬山天台講寺
京都のお寺が大好きだ。おすすめ一番はここだ。
現在の京都御所の東側の寺町通には、同志社会館(新島襄邸跡)や梨木神社、清浄華院、清荒神など重要スポットが多い。廬山寺の「蘆」は、臚、蘆、盧、櫨いずれか迷うところだ。芦でも良いのだと思うが、寺名は固有名詞と考えるとここは、廬山寺と書く。宝厳院の厳は、巌なのか迷う。冷泉は冷然とも書くが、冷泉が正しい。京都検定は難しいのだ。
さて、廬山寺は「源氏の庭」が有名だ。紫式部の邸宅跡とされ源氏物語執筆の場でもある。また境内奥の墓地には秀吉の京都改造政策の一つ、御土居跡を見る事が出来る。
創建は平安初期で比叡山中興の祖、良源(元三大師)が作った与願金剛院と、鎌倉時代に法然の弟子が宋の廬山に因み作った廬山天台講寺が合併したものである。従って、天台宗と密教、律宗、浄土教が合わさり四宗兼学の道場として発展した。現在地には秀吉の寺町政策に伴って移転して来た。観光寺ではないが「源氏の庭」は公開している。また節分には境内で行われる追儺式鬼法楽(通称鬼おどり)に多くの人が見物に訪れる。当日は普段非公開である元三大師ゆかりの「鬼切の独鈷・三鈷」が公開される。アオオニ・アカオニが本堂から出て来るユーモラスだが厳かな行事である。京都では、季節を分ける節分には魔物を追い払う様々な行事が行われその日一日中市内を駆け巡るのも面白い。壬生寺の節分会、吉田神社や石清水八幡の鬼やらい神事、須賀神社の「懸想文」などが面白い。また、祇園花街では「おばけ」と称して芸子・舞妓たちが様々に扮装して練り歩き魔物を払う。ハロウィンのようなものだ。
めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に
雲がくれにし夜半の月影
この紫式部の歌碑はいつでも見る事が出来る。