81番 大報恩寺
山号 瑞応山
宗派 真言宗智山派
開基 義空
本尊 釈迦如来
別称 千本釈迦堂
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千本通は平安京の創建当時の中心で最大の朱雀大路であった。しかし現在はその面影はなく片側2車線ではあるが駐停車する車も多く主要道路の印象はない。
それでも千本釈迦堂や千本えんま堂など重要寺院が多い。千本釈迦堂と通称される「大報恩寺」は今出川千本の西北にある。
細い参道を入るとまず目に入るのが「お亀桜」だ。当寺に伝わるお亀伝説とは、本堂建築時、大工の棟梁高次は寸法を誤り柱の一本を切り過ぎてしまった。
悩む夫に妻のお亀は「斗組」を使う事をアドバイスした。
見事完成を見たその日、お亀は自害する。妻の助言を得たとの評判が立つのを恐れたのである。お亀桜は小さな枝垂れ桜で境内の中央にあり、
供養塔と大きな笑顔のお亀像もある。本堂内のいたるところにも奉納されたお亀人形があり面白い。
現在はお亀さんは不美人の象徴だが、当時は切れ長の目としもぶくれのふくよかな女性は美女とされていた。
注目は本堂で、鎌倉中期の建造物で応仁の乱などの戦火を奇跡的にくぐり抜けた洛中最古の建造物であり「国宝」だ。
従って、珍しく中世建築物の遺構であり正面は「蔀戸」が配されている。本尊の釈迦如来坐像(重要文化財)はここに安置されているが秘仏である。
作は鎌倉仏師の行快である。その他見どころは多いが、12月7日~8日の「成道会」では「大根炊き」が振舞われるので是非出かけたい。
周辺は西陣の町家が多く隣が西陣病院であり、街並みに溶け込んでいる。