第9番 梅宮大社
京都市右京区梅津フケノ川町30
主祭神 酒解神
ご利益 酒造業・安産・子宝
同じ右京の方面に鎮座する。嵐山の地に近いが観光地の地域(人寄り場所)でもない。
さて、神社とは、伊勢神宮を頂点にして厳格に格付けされている。伊勢神宮は別格なので単に「神宮」と呼ばれる。その他は神宮、大社、神社、社などに分かれているが、どうもそれには余り意味はなく。まずは、「一代一度大神宝奉献」と言う天皇の御世が交代した時に特別に宝物を奉納する50社を定めている。京都では賀茂社や石清水八幡宮など6社ある。また、一国の一宮から三宮までを定める。例えば山城国一之宮は「賀茂社」、丹波国は「出雲大神宮」などだ。さらに、平安京を守る特別な22社を定めて、その中でさらに上七社、中七社、下七社と順位付けしている。計21社になるが上賀茂・下鴨になるのか?因みに、上7社とは、伊勢神宮のほかは、石清水八幡宮 賀茂神社 松尾大社 平野神社 伏見稲荷大社 春日大社と、多くが京都にある。大社や神宮や神社と呼び方は成り立ちや規模によるが、社格は別にあるという事か。
こちら梅宮大社は大社である。祭神の酒解神は梅宮大社特有の神である。「サカトケ」の字義は「辟解」として悪霊を祓う神か「堺解」として境界に居て悪霊を鎮める神か所説ある。ただ、このあたり地下水脈が豊かで酒の製造に適していることから言葉のしゃれで酒造の神様になったと想像する。「雨やみ」を「眼病み」と解釈するようなもので、信仰の深さと庶民の柔軟さを感じる。
またげ石
また、平安時代の橘氏との関係は明確で、県犬養橘三千代(藤原不比等の母)が創建し、檀林皇后(橘嘉智子)によって現在地に遷祀されたものである。嵯峨天皇の皇后である橘嘉智子など橘氏は他に橘諸兄、橘逸勢(三筆の一人)など偉大な人物を持つ。日本の姓は、「源平藤橘」(源氏・平家・藤原・橘)と言うが「橘」はその一つだ。冷泉や近衛などは藤原氏、足利も徳川も源氏流のどれかに入る。唯一四つの姓に入らないのが「豊臣」である。(ただし秀吉、秀次、秀頼で完全に絶滅したので後継流派はない。)
また、檀林皇后が跨いだところ子宝に恵まれたとされる「またげ石」があり、女性が跨げば子宝・安産の御利益があるとされる。
境内には、神苑である池や梅園など回遊式庭園があり季節ごとに草花の眺めを楽しめる。また、近くの桂川をはさんで嵐山や桂離宮にも近く散策にも適した地域である。