翌日、市内の工場に向かった。
市内からクルマで15分
山(というか丘)を切り開いたような場所にある工場で、主に修理をメインに行っている。
今回の目的は私が校長を務めるかつらの学校の技術指導の習得。
講師のひろみさんは、教員のなかでも一番器用な指導者。
それが工場のスタッフにかかると、まるで不器用な生徒になってしまうのでお恥ずかしい限り。
もっと手首をひねるのよ!
髪をしっかりつまんでないとダメ!
ほら、髪が逃げちゃうでしょ!
やられっぱなしである。
おいおいおい、これで生徒を教えられるのかよぉ~
思わず叫んでしまった。
それほど職人たちは手先が器用で仕事は正確だ。
昔、日本にもかつらを作る職人がいたそうだが、伝統工芸といっしょ
あと継ぎがいなくなり、教える者も絶えてしまって
生産・修理は海外にゆだねるようになった。
これも時代の流れである。
仕方がない。
でも、カット、調整、フィッティングでこんなに素敵なスタイルが出来るんですよ
と、フォトブックを職人たちに見せると
おぉぉぉ、素晴らしい!
素敵ねぇ!
私のかつらも見てちょうだいと、人だかりになった。
ひろみさん 少々自慢そう。
まぁ、それぐらいの実力を見せなければカッコつきませんからね。
見てください。いいでしょ。
和気あいあいの技術講習であった。
午前の講習が終わり、午後の講習もようやく終わると
観光しませんか
と、現地スタッフが市内観光を薦めてくれた。
前回は2月の寒いときだったので、ビーチとヨットハーバーしか行かなかったが
今回は海軍の基地跡地と旧ドイツ領事館など
見どころいっぱいのコースを案内してくれた。
しかし、海からの冷たい冷気が霧になりまったくといっていいほど視界不良。
来た日は夏日だったのに、この日は2月の気候とほとんど変わりない。
寒いの寒くないのって、唇が青くなった
でも、植民地時代のコロニアルな建物はすばらしく
それをホテルやカフェにしているのがいまどきだ。
今度ツアーを組んで案内したいと考えている。
いいところである。青島は
別荘でも買うか
な~んて、エブリのようなわけにはいかないから、せめてタイムシェア、と独り言をいいながら
その前にインプラントも入れなきゃならないし、老後のお金も貯めなきゃならないし、
スタッフもふやさなきゃならんし、事務所ももう一つ必要だ。
なんて考えていたら、どんどん美しい街並が遠のいて行った。
いや、がんばろう。そしてみんなの保養所をつくるのだ。
そんな夢をみながら今夜もまた梅ちゃんたちと食事に行った。
最終日
青島名物海鮮料理である。
前回は風邪と食あたりでほとんど食べれなかったが、今回は元気一杯。
吞むぞぉ!吞むぞぉ!とハッスル、ハッスル!
ずらりと並んだ海の幸を前にして
どんな料理にしてもらおうか
どんな味付けがいいのだろうかと
ウエイトレスに指示を出していると、次から次ぎにどんどん料理が運ばれてくる。
おぉぉ・・・そんなに食えないぜ!
そして最後の夜は、きつーい、きつーい
アルコール度数52度の中国酒で乾杯!!
おいおいおい、なみなみ注ぐなよぉ!
気分がハイになった。
今夜はシャワーも浴びずに爆睡だ。
ひろみさんは車酔いと酒酔いでブルーだった。
まぁ、これも試練だ。
次ぎに来るまで鍛えておきたまえ。
でも、途中で戻すなよぉ
昔々、智ちゃん(弊社スタッフ)と吞みに行って総武線内で吐かれたことがあった。
瞬間、あのときの悪夢がよみがえってきた。
大人は酔っても吐くな!、だ。
さぁ、あすは帰国である。
朝起きたら帰り仕度をしよう