小林化工が犯した重度の過失と違反行為。
ニュースになっている水虫の薬に睡眠薬が入っていた件で死者も2名出ています。
製造過程で混ぜる薬品を間違って入れてしまった。。。。これは重大な過失ですが、言い換えれば過失の範囲内です。
商品(薬)が完成して、最終チェックで「異物混入」の反応が有りながら出荷した。。。これは意思の有る犯罪です。
薬を製造する会社での事故・事件。
最初に聞いた時は、、、「ここは中国か」と感じました。
こんな事が日本の製薬会社で起こるんだと、信じたくない出来事に驚きと怒りを覚えました。
もう1つの驚きは、、、
立ち入り調査を終えた厚労省の課長がマスコミの取材に答えた内容です。
「ありえない状況で、、、、、(略)、、、業務停止は免れないだろう」と答えた事です。
私はこういう役人が立ち入り調査後に、取材に応じる事も珍しいと思うし。
処罰に関してまで言うのは記憶に有りません。
調査に当たった担当課長の怒りが抑えきれない気持ちが出ていて、これはこれで良いのではと思いました。
少し勇み足かも知れませんが、国民の命と製薬業の信頼に関わる重要な事なので、強く批判するのも理解できます。
一方、小林化工ですが。 事の発覚後の対処は早く、今まで失敗をした企業より真摯に出来事と向き合っている感じもしました。 会社のホームページを見ても、謝罪の次に「重要なお知らせ」として、、、、
イトラコナゾール錠50「MEEK」への睡眠薬混入
と有り。 詳細な情報が出ています。自社にとり不利になる事柄もちゃんと記載されています。
だからと言って許される事ではない
これだけの対応が出来る会社なのに、、、、何故?? と言う気持ちにはなりましたね。
この会社は後発医薬品の製造・販売です。 いわゆるジェネリック医薬品です。
ザックリと・・・(知識が不足しているので)
薬の特許は20年ですが現実には販売されてから10年未満で期限が切れます。
これは開発プランの段階で特許申請して、認められるからです。(薬は完成していません)
薬の開発には数百億円と巨額な費用と高い知識が必要で、それを守る為にも早い段階で特許を与えます。
仮に・・それが無いと悪い奴が研究者を10億円で買収して先を越せば、元の会社は多大な損害を被ります。逆に悪い奴は十数億円で新薬を開発することに成ってしまいます。
ですから開発会社は特許を得てからも研究・開発を続け、実際に完成して販売できるまでになるには検査も有り十数年かかるのです。その結果、残りの特許期間は10年未満になってしまうのです。
近年では国の運動も有りジェネリック医薬品はかなり普及しています。
これも新薬同様の検査を受けて、元の薬と同程度の効果を確認されたからの販売となりますが。
新薬開発が数百億円必要なのに比べて数億円で済むらしい。
最終的な価格は元の薬の20~50%になっています。
これは私たち患者も大助かりですが、国も大助かりです。
一錠60円の薬だと、、、患者 18円(国保) 国 42円 の負担が
ジェネリックで半額の一錠30円だと、、、、国の負担も半額になり21円となります。
何年にもわたり飲むことに成る血圧の薬など、その差は大きいです。
国が税金で負担する医療費が膨れ上がっている現在で、国民がその効果に変りの無い後発の安い薬を使う事で巨額な税金が助かります。
これを国民が実行するには・・
後発医薬品の効能が同じ程度あると言うのが絶対的な条件なのは言うまでも有りません。
その重要な部分を危うくしてしまう、この小林化工の事件は大きな問題です。
真摯に対処していると感じる会社だけに残念だが、事が事だけに厳しい処罰は仕方ないでしょう。