「エホヤダの子ベナヤは、カブツェルの出で、多くのてがらを立てた力ある人であった。彼はモアブのふたりの英雄を打ち殺した。また、ある雪の日に、ほら穴の中に降りて行って雄獅子(おじし)を打ち殺した。」(Ⅱサムエル23:20新改訳)
本章後半はダビデのもとに集まって来た勇士たちの一覧表(いちらんひょう)である。エホヤダの子ベナヤはダビデだけでなく、ソロモンの時代まで生きて、その王朝の建立(けんりつ)のために働いた人であった。▼この箇所(かしょ)を見ると、聖霊の油注ぎを受けて王となったダビデのもとには、磁石(じしゃく)に鉄片(てっぺん)が吸いよせられるように、すぐれた勇士たちが集まったことがわかる。サウルは勇士たちをあちこち探し回り、部下として召し抱えたが、ダビデのところには自然に集まって来た印象である。まさに神の祝福でそうなったのであった。▼ただハッとするのは三十勇士の末尾(まつび)にあるヘテ人ウリヤ(39)。ダビデは自分の不倫を隠すために忠義(ちゅうぎ)な彼を謀殺(ぼうさつ)したのだ。しかも妻バテ・シェバはアヒトフェルの孫娘(まごむすめ)だった可能性がある(→34節参照)。この推定が正しければ、油注がれたダビデの犯した罪がどんなに大きかったかがわかる!まことに残念である。