「あなたがたは同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、思いを一つにして、私の喜びを満たしてください。」(ピリピ2:2新改訳)
ピリピ教会はパウロが大喜びするほど恵まれた教会だった。しかしそれでも、使徒はこの節で同じ思いになってほしい、同じ愛の心で一つになることを望む、と手紙に記した。これは教会の全信徒が、主に向かう姿勢でまったく一つになったとき、いかに強力な霊界の能力を発揮するかという事実を示している。▼逆にいえば、悪魔は知恵を傾けて、教会が分裂し、わかれ争うように画策していることの証明でもある。その典型は使徒12章にあるペテロ投獄の記事といえよう。初代教会最大の危機ともいえるこのとき、教会は完全にひとつとなり、来る日も来る日も全員でペテロの上に奇蹟が起きるよう祈ったのであった。その結果があざやかに記されている。▼教会が思いと愛で一つになって祈りの座に着いたとき、大きな岩山も崩れ去る、パウロはそれを経験から熟知していた。現代の教会にもまさにこれが必要である。「ヘロデはペテロを捕えて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過越の祭り(それは1週間続いた)の後に、彼を民衆の前に引き出すつもりでいたのである。こうしてペテロは牢に閉じ込められていたが、教会は彼のために、熱心な祈りを神にささげていた。」(使徒12:4,5同)