KPIといえば、Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の略で、目的を達成するための方策・手段を指標化したものです。
よく、BSC(バランススコアカード)などと一緒に用いられるモニタリングツールで有名ですが、あまり難しく考えず、他のフレームワークと併用してみるとか、KPI単体で運用してみてはどうでしょうか。
本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。
「5ヶ年計画で本格管理 生活習慣改善に数値目標」
・東洋インキ製造が社員の健康支援策を拡充している。~5ヶ年計画のもと社員の健康増進に関する数値目標を設定し、健康管理に役立てている。
・ただ、一口に「社員の健康増進」と言ってもその概念はあまりにも広い。そこで社員の健康を具体的に管理する5ヶ年計画を作成することにした。
・5ヶ年計画の13年度の目標には「運動を習慣化している社員の割合を30%に高める」「肥満度が適正値を超えている社員の割合は20%以下に抑える」「メンタルヘルスやコミュニケーション工場のセミナーの受講者を50%に引き上げる」
など、明確な数値目標が並ぶ。
(引用:2010/07/29 日経産業新聞より)
とのことです。
ポイントは、概念が広くわかりにくい目的に対して明確な数値目標を設定したことです。
定性目標を定量化したと言えばいいでしょうか。
「社員の健康増進」とはどのような状態をいうのか?どのような時点でその目的が達成されていると判断するのか?
とても定性的で、人によっていろいろな判断が分かれるでしょう。
しかし、社内で良く検討して、全員の共通認識として統一された判断指標を明確にして、目標値を決めることで、それが「見える化」できるようになります。
・運動を習慣化している社員の割合
・肥満度が適正値を超えている社員の割合
・健康に関するセミナーの受講者の割合
・・・・・等々
といった判断、評価指標がKPIとなります。
「社員の健康増進」という曖昧な概念に、明確な定義が社内の認識として統一されます。
本当にその指標目標が達成できたら、「社員の健康増進」が叶うのか?といえば、正解はわかりませんが、少なくとも定性目標がただのお題目にならずに、前へ進んでいくサイクルが生まれます。
そもそも、モニタリングツールですから、一度設定した指標も、ゴールへ向かうためには都度見直しをしていけばよいのです。
重要なことは、きちんとモニタリングしてPDCAのサイクルを回していくことで、ゴールへ向かうための評価指標が有効なものに修正されて行き、社内にその活動が根付いていくことで、目的に近づくことでしょう。
評価指標には、「結果指標」と「プロセス指標」が考えられます。
たとえば、「運動している社員の割合」を高めたければ、もう一つブレイクダウンして「部署内での朝のラジオ体操の実施率(例)」といった指標を設けてみても良いでしょう。
さて、あなたのビジネスでも定性目標を見える化してみることで、前に進み出すことがあるのではないでしょうか?