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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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日本の古来の家づくり…北斗市~函館~東京~富山

2006年08月29日 20時26分38秒 | Weblog
金物を一切、使用しない無垢の木材だけで造った家…何とも言えない風合いを感じます。
床も壁も天井も、そして勿論、柱も梁も全てを無垢の木材で造った空間に身を置きますと、いつまでも時間を忘れるのです。やはり日本人なのかな…

写真は今日、訪れた富山市の隣町、上市町に建築したファースの家の内部で撮りました。
向かって左が三協立山、住宅建材部の松原渉さん、私の隣が設計施工したファース工務店、㈲北岡工務店社長の北岡好夫さんと同じく若手大工の田中好太郎さんです。
ごらんの家は無垢の木材だけで筋交いを使用せず、ラーメン構造の大梁と柱、天井材も床材も全てが無垢材で出来ておりました。この家は田中さんと北岡社長さんのご子息など、20歳代の若い大工さん達が力を合わせ、無垢材に墨付けから手刻みでの日本古来の手法で作り上げた素晴らしい作品です。

昨今、プレカットの集成材や、新建材ばかりで構成する家が日本の家づくりのレギュラーとなっておりますが、この北岡工務店さんが造った家は、とことん日本の軸組みに拘って建築されておりました。内壁も鹿児島県霧島の火山灰をブレンドした特殊自然素材で真壁法式の内装仕上げをした、とても素晴らしい出来上がりです。今週末からオープンハウスとして公開するそうです。ファースの家は、この自然素材の仕上げ材の裏側をインナー通気層で空気循環をさせるため、自然素材の特性を居住空間にたっぷり活かす事が出来ます。

無垢木30㎜の厚さの杉板張りの床にぺたりと座り込み、芯持ち柱や合わせ梁、杉板天井を見上げていると、とても心が落ち着くものです。忘れかけていた日本家屋の在るべき姿の風合いなのでしょう。この空間は暫し時間の経つのを忘れます。お近くの方が是非、体感とご見学を…

今日は肌寒くなった北海道から富山にやってきました。この家に来る前に、今月18日に「劇症肝炎」で急逝した富山市内の水無瀬工務店社長のお宅を弔問に訪れました。
先月に開催した、この北岡さんが建てるファースの家の構造見学会に、亡くなった水無瀬社長と娘さんが応援に来てくれたそうです。富山県内にファースの家を普及させようと、北岡さんと水無瀬さんが協力し合って行こうと誓い合い、その間もない訃報に北岡さんも大きな衝撃を受けておりました。

素晴らしい出来栄えの作品の空間で、その話を聞きながら、様々な情景が脳裏を霞めましたが、この作品はこの先100年以上も残って行く事でしょう。
しかし、人の命の儚さを同時に考えずにいられません。
与えられた運命なのであれば毎日を大切に生き続けましょう…
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