この日も秋アマゴを求めて引き寄せられるように渓流へ。
ネイティブなフィールドを求めて分け入りますが、
当然、この地のアマゴが存在するのは自然任せ。
紙一重の綱渡り状態で命が受け継がれているんですね。
小さな落ち込みの白泡の中。
根掛かりとアタリの判断が非常に難しい状況でしたが、
わずかに感じる大型特有の生命感が、穂先から手元に伝わってきました。
重いシャープな引きは本命の証拠。
やり取りの間、何度も厳つい顔を見せつけられ、こちらも冷静に対処するのに必死。
そしてタモに納まった魚体を見て、思わずガッツポーズ。
美しい秋の大アマゴ。
しばらくは興奮がおさまりませんでした。
言うまでもなく、これが野生アマゴ。
もはや自然界の芸術品と言っても良いでしょう。
このアマゴの一番美しい姿。
その姿を見る事が出来て本当に幸せでした。
この後、最後の大仕事を成し遂げると、生涯を終えてしまう事は間違いありません。
とても残念ですが、最初の出会いが最後の別れとなります。
これが秋の大アマゴの宿命です。
達成感に満たされ感動を味わったにも関わらず、切なさと寂しさと悲しさを感じます。
この日は何とも言えない複雑な心境でリリース。
釣り人として感謝を伝える事が、せめてもの出来る事です。
次回で秋アマゴ最終章となります。