カラスといちごとクロッカスと

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君の名はクリスマスローズ 1

2025年02月17日 10時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
撮影者:Dominicus Johannes Bergsma
撮影日:2021.12.16

今日も、ヘレボルス・ニゲル(Helleborus nigerについてです。前回に続き、Wikimedia Commons から画像を借りてきます。全て、オリジナルからの改変はありません。

ニゲルの英語での名称は、他にもあるかもしれませんが、代表的なのは、
・Christmas rose「クリスマスのバラ(クリスマスローズ)」
・Black hellebore「黒いヘレボルス」
です。

「黒いヘレボルス」(学名の Helleborus niger、英名の Black hellebore)と呼ばれる理由は、前回述べましたとおり、薬用になる根が黒いことから来ています。「薬用」と言っても、サジ加減では毒ですが。。。

Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
撮影者:Albertomos
撮影日:2022.02.09

でも、クリスマスローズは、なぜ「クリスマスローズ」と呼ばれるのか。

まず、クリスマスローズが、ローズ(バラ)でないのに「バラ」と呼ばれるのは、バラに「似ていて」美しい、というほどのことでしょう。確かに5弁ではある。

クリスマスローズが「クリスマス」と冠されるのは、クリスマスのころに咲く・・・でも、実際に咲くのはそれより遅い・・・というように、わたしは理解していたのですが・・・調べ直してみると、そうでもあって、そうでもない・・・


Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
撮影者:Gerda Arendt
撮影日:2022.02.12

次の、アメリカのミズーリ大学のサイトの記事から、かいつまんで、まとめてみたいと思います。
Christmas Rose: Beautiful Plant with Interesting History
(クリスマスローズ:おもしろい歴史のある美しい植物)

ある伝説によると、
> 羊飼いの少女が、キリスト誕生に駆けつけたのはいいが、贈り物がなかった。
> それに嘆いて、泣いていると、天使が現れ、少女を厩から連れ出し、地上に触れた。
> すると、そこから即座にクリスマスローズが現れ、少女にそれをキリストへの贈り物
> とするように、と与えた。

Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
撮影者:Isiwal
撮影日:2014.02.13

Wikipediaの英語版の記事では、ミズーリ大学の説明とは少し異なりますが、同様の伝説が採録されています。

その伝説によると、
> 羊飼いの少女が、・・・贈り物がなかった。
までは同じで、異なるのは、天使は駆けつけず、
> 少女が涙をこぼすと、その涙のこぼれた雪の中からクリスマスローズが現れて、
> 少女は、それを贈り物とした。

はは、他力本願と自力本願の違いですね。いや、失礼、茶化しまして。

なお、こちらの、自らの涙でクリスマスローズを出現させた伝説の方は、そのWikipediaの記事の注釈によると、イギリスの Royal Horticultural Society(王立園芸協会)の
「The dark side of the Christmas Rose(クリスマスローズの暗い側面)」
という記事に載っているそうです。


Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
撮影者:Michael Burgholzer
撮影日:2024.02.10

では、クリスマスローズは、「クリスマスのローズ」と呼ばれながら、キリストの誕生したとされるクリスマスのころに、なぜ咲かないか。

それは、また次回に。



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