2022.04.11撮影(Muscari armeniacum)
和名 ムスカリ(学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ムスカリ属(Muscari)
英名 Grape hyacinth「グレープ・ヒアシンス」(ブドウのようなヒアシンス)
英名の「ブドウのようなヒアシンス」という名前は、花房の形から、妙を得ている、と思います。ブドウの房がひっくり返った形ですけど。
学名の Muscari というのは、ギリシャ語の muschos という語から来ています。そのギリシャ語の語は、英語の musk に当たり、それは、日本語では「麝香(じゃこう)」。ジャコウジカから「採れる」香料ですが、そのことについては、以下の記事をご参照ください。
麝香
花のムスカリが、この香料の麝香の匂いがする、ということなのですが、みなさんは、いかがでしょう。ムスカリって匂いますか?? 草丈の低い植物なので、匂うには、よほどかがみ込むか、あるいは、切り花にしないといけないか、と思いますけど。
2023.04.03撮影(Muscari armeniacum)
ムスカリの原産地は、
・ヨーロッパ(北ヨーロッパと東ヨーロッパを除く)
・北アフリカ
・アジア(北アジアと東アジアを除く)
という広い地域ですが、
現在は、その上、
・北ヨーロッパ
・アメリカ合衆国
でも野生化しています。
日本では、庭植えの春咲き球根としておなじみだと思います。3月に帰国していた時、実家の庭でも、よそのおうちのお庭でも見ることができました。
2022.04.03撮影(Muscari armeniacum)
ここまでのムスカリの画像はみんな、Muscari armeniacum「アルメニアのムスカリ」です。原産地がアルメニアを含む地域であるので、「アルメニアの」という種小名がついています。
ムスカリ属の花は、この種に限らず、花びら(正確には、花弁ともガクとも区別できない「花被片」)6枚が融合し、開花すると、開口部をおちょぼ口のようにとがらせて開けます。そして、その口の部分が、花の他の部分とは異なる色であることがあります。例えば、直前の画像の場合は、青地に、白。
ムスカリの花の色は、一般的に、薄い水色〜濃い青。これらの色のは普通に見かけますよね? でも、ほとんど黒に近いのとか、また、先天的に色素の欠ける白っぽいのとか、もあるそうです。
「アルメニアのムスカリ」の原種の花の色は、紫か青ですが、園芸種には、白の(冒頭の画像の背景、中ごろ)とピンクの(うちにはありません)もあります。
2022.04.11撮影(Muscari latifolium)
ムスカリは、種によっては、上部の花と下部の花とが異なる色と形であるものがあります。その例は、上の画像の Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」です。名称通り、本当に葉が幅広なのか。次の画像をご覧ください。
2022.03.24撮影(Muscari latifolium)
まだツボミの時の画像です。2枚見える葉は、確かに幅広ですね。これを、「アルメニアのムスカリ」だけがしっかりと写っている2番めの画像とお比べください。葉の幅の違いがわかります。
念のために、花茎がまだ低い時の画像も。
2022.03.24撮影(Muscari latifolium)
「幅広の葉のムスカリ」のように、花茎の上下で色と形の異なる花を持つムスカリは、タネを生成するのは、下部の花だけだそうです。
ムスカリ、明日に続きます。
25年前、園芸ガーデニングに熱心だった頃、
ムスカリにも夢中になりました。
Muscari latifoliumは特によかったですね。
しかし約2シーズンで消滅。(T_T)
他にもいろいろ試しましたが、四半世紀経っていまだに残ってるのは
「アルメニアのムスカリ」だけです。
モウズイカさんは、ガーデニング転じ自然観察なのですか? わたしはほぼその反対の道を進みました。そして、現在、樹木の成長のために庭の作り直しをしているところです。
子供時代、最初に買ってもらった植物図鑑が何故か園芸植物だったので、
一時、園芸植物が好きになりました。その後、野草に戻ったのですが、
1990年代にふっと園芸植物に回帰、少しばかり栽培するようになったらガーデニングがブームになりました。
2010年代中頃から、また自然に戻ってます。
なんか行ったり来たりですね。