Summer snowflake (Leucojum aestivum) 「夏のスノーフレーク」
撮影者:Hans Bernhard
撮影日:2010.05.01
オリジナルからの改変、なし
今日お話ししたい花は、昨日のスノードロップに続き、スノーフレークです。和名があるにも関わらず、この花も、スノードロップのようにカタカナの名称、スノーフレーク、の方で知られているようです。(昔の幼い少女であるわたしも、そのころから「スノーフレーク」という名称で知っていました。)
学名 Leucojum aestivum
英名 Summer snowflake
和名 オオマツユキソウ(大待雪草)
別名 スズランスイセン(鈴蘭水仙)
別名 スノーフレーク
ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)スノーフレーク属(Leucojum)
スノードロップが「マツユキソウ」で、それより大きいけど似ているスノーフレークが「オオマツユキソウ」ということです。
でも、スノーフレークの花の形は、スノードロップの花によりスズランの花の方に似ています。葉は、スイセンの葉に似ているので、スノーフレークは「スズランスイセン」。
2021.05.17撮影
上の画像は、スズラン(Convallaria majalis var. majalis)の花です。いわゆる、ドイツスズラン(日本のスズランは、花柄が短い)。花が下に向いて咲き、花びらの先がそっているところが、スノーフレークの花と似ています。でも、スズランには、スノーフレークにある子房の膨らみはありません。花びらには、模様もつきません。
スズランの葉は広いので、これは、スノーフレークの葉とは全く異なります。スノーフレークの葉は、冒頭の画像の、花の背景に見ることができます。
2021.03.20撮影
スイセン類(Narcissus)の葉の様子は、上の画像でどうぞ(花ばかり写して、葉はあまり撮らないので、スイセンの葉が見えるのはこのような写真しかありません)。
ここには2種類のスイセンが写っていて、黄色い方は、'Jetfire'(ジェットファイアー)という園芸種。右の白い方は、大きめの白い花が咲くのですが、園芸種名は失念しました。
ここまでに出てきた4つの花の所属を比べてみると、
スノードロップ:ヒガンバナ科・マツユキソウ属
スノーフレーク:ヒガンバナ科・スノーフレーク属
・・・スイセン:ヒガンバナ科・スイセン属
・・・スズラン:キジカクシ科・スズラン属
「科」は、ヒガンバナ科とキジカクシ科に分かれていますが、「科」より上の分類の「目」は、すべてがキジカクシ目(Asparagales)です。みんな、アスパラガスなんですね。いや、でも、スズランとか、食べないでくださいよ〜〜お腹が痛い、どころでは済まなくなりますから。
Spring snowflake (Leucojum vernum) 「春のスノーフレーク」
撮影者:IKAI
撮影日:2006.03.25
オリジナルからの改変、なし
スノーフレークは、わたしの子ども時代の心象風景に出てくる植物で、母が育てていて、わたしは、こんなきれいで変わった植物があるんだ、と夢見心地にながめていました。名前を教えてくれた時に、「スノーフレーク」って。その外国語の響きに、ますます酔ってしまいました。
それで、わたしのバンクーバーの今の家に引っ越してきた時には、ぜひ植えたい植物のひとつだったんです。でも、見つからないんです。流通しているのをやっと見つけたら、これがとんでもなくでかい。全く、夢のぶっ壊しでした。
スノーフレーク属(Leucojum)は、2種からだけなります。(その他に、園芸種があります。)
・Leucojum aestivum(Summer snowflake)「夏のスノーフレーク」
草丈35-60cm、花3-4cm、普通は緑色の模様
・Leucojum verucum (Spring snowflake)「春のスノーフレーク」
草丈12-35cm、花1.5-2.5cm、緑色、または、黄色の模様
なんと、「夏のスノーフレーク」には、大きさを誇る「ジャイアント・スノーフレーク」なんて園芸種もある。
わたしが選り好みすることもできずに手に入れたのは、この「ジャイアント」。春には葉っぱがどんどん伸びるばかり、夏に花が咲いたころには、わたしは興醒めしていました(ごめんね、スノーフレークちゃん)。
そして、都合がいいことに(ますますごめんね)、「ジャイアント」の植わったあたりは樹木の成長するのに従い陰になり、太陽光線の不足ででしょう、「ジャイアント」君は、姿を消してしまいました。
でも、日本で植えられているのは、サイズの小さい「春のスノーフレーク」ではなく、「夏のスノーフレーク」としか考えられません。ただ、日本では、気候の関係上、「夏のスノーフレーク」が春に、夏に咲くより草丈が低めに、咲くようです。
以下によくまとまった記事がありますので、ご参照ください。
この記事や、他の多くの記事を読むと、スノーフレークは育てるの、かんたん〜〜、と書いてある。なんでや〜〜、わたしが失敗したのは。やっぱり、お陽さんの加減よね。
「春のスノーフレーク」(「夏のスノーフレーク」としても知られる)にとまろうとするメスの Hairy-Footed Flower Bee (Anthophora plumipes)
撮影者: Charlesjsharp
撮影日:2014.03.31
オリジナルからの改変、なし
画像につけられた説明
>「春のスノーフレーク」(「夏のスノーフレーク」としても知られる)
って、そんなわけがない。撮影者が知らないだけだ。
このスノーフレークが「春の」か「夏の」かは、この蜂(Anthophora plumipes だそうです)の大きさが分かれば、花の大きさと比べて同定できるわけです。どなたか試してみてくださいまし。(わたし、調べたけど、わかんなかった。)
でも、この花の同定は、もっと簡単な方法があります。ひとつの苞から花がいくつ・・・
ただ、花の美しさを載せ表わせばいい...となりそうですが、私はやはり花と虫との共存共栄を味わいたいと想います。
送粉者が訪れることによって花も助かるのですから、花の傍にはいつも虫!の情景に見入ってしまいます。
日本ももう時期春です。と成れば花の周りにハチ、アブ、ハエ...だかりになることでしょう...
さあっ、これからが花ファンと虫ファンとが共に盛り上がり情報交換できる季節...
楽しみですね(*^^)v
あなた様の鋭い花観察をこれからも楽しみに、そして励みにさせて頂きますm(__)m
これからもどうぞ、宜しくお願い致しますm(__)m
わたしも、実は、花がきれいね、というブログではなく、情報やわたし自身の観察を届けたい、と思って書いています。「鋭い」というより「くどい」場合もあると思います。
わたしも虫には大変興味があるのですが、動くので観察がしにくい! そのへん、花はじっとしていてくれるから。でも、花の撮影は、微風でさえ見ながらの撮影となります。
また、いろいろ教えてください。
スノーフレイク、よくスノウドロップと間違える人も居るようです。
可憐で可愛く鈴蘭を彷彿とさせるところも魅力ですよね。
他の写真もみな素晴らしく見栄えが有り、素敵です。
わたしの撮った写真のことでしたら、お目を汚しています。もっとちゃんとしたカメラを持っていることは持っているのですが・・・