2022.03.29撮影
これは、前回の記事の最後に掲載した画像です。これが、問題にしている2種の植物のうちの、スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana)で *ない* 方の1種です。
この花も、白地に青い筋入りです。でも、花の中央が、スキラ・ミシュチェンコアナと異なります。こちらは、スイセン(Narcissus)のように、小さいながらも中央にカップ状のものがあります。そして、そのカップ状のものの中に、これもスイセンのように、オシベとメシベが入っています。
以下の画像で、それをお確かめください。
2022.03.29撮影
この植物は、次であると思います。
学名 Puschkinia scilloides「プシュキニア・スキロイデス」
英名 Striped squill
和名 プシュキニア・スキロイデス
キジカクシ科(Asparagaceae)プシュキニア属(Puschkinia)
前回の記事の花、スキラ・ミシュチェンコアナと、今回の記事の花、プシュキニア・スキロイデスは、似ていますね。そっくりではありませんが。
実は、両者とも、英語で Squill(学名の Scilla、和名のツルボに当たる)と呼ばれます(他の言語のことは知りません)。見た目が似ていれば混同しやすいし、また、名称が同じなら混同が進む、と思います。
おもしろいことに、花の中央にカップがある方の学名は、
Puschkinia scilloides「プシュキニア・スキロイデス」
で、種小名の scilloides は、「scilla もどき」(ツルボもどき)という意味です。
2023.04.04撮影
そもそも、うちには、スキラ・ミシュチェンコア(オシベが見える方)とプシュキニア・スキロイデス(カップがある方)の両方があった(=わたしが植えた)んだろうと思います。なぜ両方あったかは、不明です。
でも、勢いが弱くなってきたので、何度か買い足した。そして、そのたびに、オシベが見える方を図らずも増やしていった・・・もよう。そして、花が元気に咲けば咲くほど、2種を1種と自分に言い聞かせながら、何かおかしい、と思ってきたのです。
今春は、昨秋に買って植えたのが、たくさん咲き出しました。そして、その花を見て、ますます???
それで、アルバムをつらつら眺めてみると、、、ということになったのです。
前から不思議だったことがやっと解決した!
2023.03.28撮影
以下に、スキラ・ミシュチェンコアナとプシュキニア・スキロイデスの特徴をまとめておきます。
スキラ・ミシュチェンコアナ(オシベが6本見える方)
・ツルボ属(Scilla)である
・花びらがややピンク色を帯びる
・花びらがやや「しわしわ」である
・オシベが、6本、分離している
・プシュキニア・スキロイデスより早く咲く
・頑丈なようだ
プシュキニア・スキロイデス(カップがある方)
・プシュキニア属(Puschkinia)である
・種小名は「scilla もどき」(ツルボもどき)である
・花びらは白っぽい(ピンク色を帯びない)
・花びらが比較的ピンと張っている
・スイセン様のカップが花の中央にある
・オシベとメシベは、スイセンのように、カップの中にある
・スキラ・ミシュチェンコアナより遅く咲く
・頑丈でない可能性がある
以下に、この2種の花を並べてみます。花の大きさ、草丈は、ほぼ同じです(画像の倍率が異なるので同じに見えませんが)。花がこんなに違うのに同じ植物だ、と自分に言い聞かせる意思の力の強さに驚きました。
2022.04.06撮影 2022.02.26撮影
最後に、言い訳がましく言うのですが、わたしみたいな素人どころか、有名園芸サイトが混同しているところをご覧ください。両方をスキラ・ミシュチェンコアナと呼んでいます。
スキラ・ミシュチェンコアナ(オシベが6本見える方)は、
正しく、スキラ・ミシュチェンコアナと呼んでいる
別種であるプシュキニア・スキロイデス(カップがある方)を、
間違って、スキラ・ミシュチェンコアナの園芸種だと言っている
わたしは、カップのある方が好きなので、そちらを増やしたい。これからは、ラベルに書いてあることよりも、写真の方をよく見て、球根を購入するようにします。
このカップのある方は、消え込んでいなければ、時季的にこれから咲くはずです。楽しみです。
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