2006.02.05撮影
このヘレボルス(Helleborus)は、現在はもうわたしの庭にないヘレボルスで、ヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)のはずです。ニゲルなら、クリスマスローズです。少なくとも、そのつもりで購入しました。この画像では、子房が発達を始め、蜜線も落ちているので、クリスマスローズの典型的な写真とは異なって見えるかもしれません。
学名 Helleborus niger
英名 Christmas rose「クリスマスローズ」
別名 Black hellebore
和名 ユキオコシ(雪起こし)
別名 カンシャクヤク(寒芍薬)
流通名 クリスマスローズ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus)
日本にお住まいのみなさんは、この植物を、英語の名前 Christmas Rose にちなんで「クリスマスローズ」と呼ばれていると思います。実際、早く咲く個体はクリスマスのころに咲きます。
2023.04.18撮影
うちの庭には、冒頭画像のクリスマスローズはもうないんですが、上の画像のようなヘレボルスはたくさんあります。オリエンタリス系のヘレボルスです。
学名 Helleborus orientalis
英名 Lenten rose「レンテンローズ」
流通名 クリスマスローズ
別名 ヘレボルス
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus)
オリエンタリス系のヘレボルスは、一般に、キリスト教のレント(四旬節)の時期(2月始めから3月始めにかけて)に咲き出すので、英語では Lenten Rose「レンテンローズ」と呼ばれます。
2023.03.30撮影
上の画像は、うちの庭の一角(柵の内側と外側と)です。ヘレボルスは、他にもたくさんあります。
わたしが英語圏に住んで、英語で生活しているからだ、とは思いますが、レントのころに咲くオリエンタリス系のヘレボルスを、クリスマスのころに咲くクリスマスローズと呼ぶことには、わたしは大変抵抗があります。
それで、わたしは、一貫して、学名からとったヘレボルス(Helleborus)という言い方をしてきました。それは、属名です。英語では、ヘレボルス全体(Helleborus)を Hellebore「ヘレボー」と呼びます。
ヘレボルスの園芸種は、多くは、オリエンタリス系(Helleborus orientalis)です。オリエンタリス系が交雑しやすいのだそうです。これらの園芸種は、一括して、Helleborus x hybridus(ヘレボルス交雑種・交配種)と呼ばれます。
「x」が、学名の表記上、交雑種・交配種であることを示す上に、この場合は、hybridus 自身も「交雑種・交配種」という意味です。園芸家が Helleborus x hybridus という表現を用いれば、事実上、「ヘレボルス園芸種」ということになります。
わたしの頭の中では、「交雑種」が自然にできたもの、「交配種」が人間が意図的に交配したもの、という区別をしていますが、簡単に交雑・交配する植物ではあまり意味のある区別ではないのかもしれません。
2024.02.22撮影
日本では、ヘレボルス全体をクリスマスローズと呼ぶのが主流でしょうか。そして、短くして、「クリロー」とも呼ばれるんですね? それから、ヘレボルスと呼ばれる方々もいて、そこからは「ヘレボ」という言い方もある。
わたしは、ナマケモノであるだけでなく、ガンコなので、レンテンローズ(Helleborus orientalis)のことをクリスマスローズ(Helleborus niger)とは呼べず(だって、それは、ソメイヨシノをカンザクラと呼ぶようなもの)、これからも両者(と他のヘレボルス属の種も)を指してヘレボルスという言い方を続けていくと思います(本当は、「ユキオコシ」と言いたいの)。ですので、わたしがヘレボルスと書けば、日本の流通名でいうクリスマスローズのことだと思ってくださいまし。
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