カラスといちごとクロッカスと

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ゾンビーと女奴隷

2024年03月29日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ
2024.03.16撮影

ゾンビーチューリップ(Tulipa fosteriana 'Zombie')のつづきです。

冒頭の画像は、開いたばかりの「ゾンビー」の中央部分です。ツヤツヤしていて、若さにみなぎっていますね。

まだ若い花なので、オシベ6本がまだピンと伸びています。筋の入っている部分と黄色い粉がふいたような部分を合わせたのが、オシベのヤク(葯)です。その下に暗い色で見えるのが、花糸です。オシベの「軸」あるいは「茎」のようなものです。でも、なぜ「花の糸」と呼ばれるのか・・・花の中にある糸みたいな形状のもの、という意味?

メシベは、オシベに囲まれて飛び出ているものです。頭の部分を、柱頭といいます。文字通り、「柱の頭」です。チューリップの柱頭は、先がみっつに分かれます。柱頭の下の柱の部分は、花柱といいます。オシベの花糸に対して、花の中の柱みたいな形状のもの、という意味でしょうか。

以下のリンク先に、花の作りについての簡単な図示がありますので、興味のあられる方は、どうぞ。


2024.03.17撮影

「ゾンビー」が全開したばかりの時には、花の内側の色は、白っぽい薄黄色です(直前の画像)。そして、一般的には、黄色の色が濃くなるのを経て、赤みを増してきます(次の画像)。

2024.03.18撮影

この花の色の変わっていくところを、花の中央部分の画像で、もう一度お見せします。オシベの様子が変わっていくのも見えます。以下の画像3枚は、同一の個体ではありません。

 2024.03.16撮影(冒頭画像)

 2024.03.14撮影

 2024.03.15撮影


チューリップは、他の多くの花と同じように、暗い時(夜や、天気の悪い時)や気温が低い時に、花を閉じます。まず、大きく開いているのからご覧ください。


2024.03.18撮影(晴れ)

これは、3月半ば、バンクーバーで大変晴れていた日に撮った写真です。バンクーバーでは、きれいに晴れると、人々が歓喜します。ホントですよ。野山や公園に出かける人々で交通渋滞が起こるほどです。

2023.04.21撮影(雨上がり)

この画像は、雨が上がってすぐ。水玉が葉にかなりついていますから。でも、晴れてきているみたい。雨でもあまり花が閉じなかったか、徐々に花びらが開いてきているところでしょう。


2024.03.20撮影(大変くもっている)

この画像は、大変暗く、くもっている日のものです。奥の方に見えるみっつの閉じた花は、晴れていた2日前、大きく開いていた花です(前の前の画像)。つまり、これらの閉じている花は、一旦咲いた花が閉じているものであって、まだ咲いたことのないツボミなのではありません。

一方、手前左の花は、終わりかけの花で、すでに、暗くても閉じなくなっています。年齢を重ねたお肌のように、ハリがなくなり、閉じられなくなるのでしょうか。右手前の花は、まだ開いたことのないツボミで、若々しく、みずみずしいですね。

花びらの色は、内側だけでなく、外側も変わっていきます。ツボミの時、外花被の帯状の部分の色は、くすんだ朱色です。花が開くと、その部分は、ピンクっぽい赤になります(直前の画像)。ですから、くもった日に閉じている花は、色を見れば、開いた花が閉じたのか、開いていないツボミなのか、わかるのです。花が古くなると、全体的にピンクになります。

さて、下の画像は・・・

2006.03.27撮影(ゾンビーチューリップにそっくりなチューリップ)

わたしは、自分が写した写真は、植物に限らず、分類してファイルにしてあるのですが、ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa)の下に、ゾンビーチューリップ(Tulipa fosteriana 'Zombie')とは別に、それにそっくりなチューリップがあります(上の画像)。

学名 Tulipa kaufmanniana 'Ancilla'
英名 Ancilla kaufmanniana tulip
和名 カウフマンニアーナ・チューリップ「アンチーラ」
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa

わたしは、実は、「ゾンビー」を植えた時、「アンチーラ」を植え足したつもりだったんですね。それで、写真を整理してみると、どうもおかしい。なんか、写真を見直してからわかることの繰り返しみたい(この花、前からおかしい、と(2) - カラスといちごとクロッカスと)で恥ずかしいんですが。

それで、観察し、検索もしました。そうすると、違いも分かりましたが、混同しているサイトもあることも分かりました。わたしだけじゃないんだ、わ〜〜い、わ〜〜い、と言い訳。違いは、以下でご覧ください。

 
2006.03.27撮影(アンチーラ)        2024.03.14撮影(ゾンビー)

ラテン語 ancilla「アンチーラ」というのは、「女奴隷」という意味です。「ゾンビー」だの、「奴隷」だの、どういう命名の仕方なんでしょう。


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2 コメント

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すごい名前‼ (気まぐれネコ)
2024-04-01 06:06:39
すごい名前のチュウリップですね。こちらでは、見かけないチュウリップばかりで、驚きました。
私のブログに「スイセン」アップしました。
ぜひ、教えてください。黄色のスイセンの違い。
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気まぐれネコさんへの返信 (flowerconnection)
2024-04-01 09:18:29
そちら時間で、おはようございます。園芸名は、遊んでいるのか! と思われるような名前がありますよね。まあ、楽しませてくれている、と思えばいいのでしょうか。「ゾンビー」と「アンチーラ」は、多くの人が慣れているチューリップの形をしていないので、その意味で、人の注意をひく命名でうまくいっているのかもしれません。でも、「アンチーラ」は、みんなが意味を知っているわけではないと思います。かえって、かわいい名前だと思っているかも。
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