カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

マゼンタの花、シャクナゲ 2

2024年05月08日 08時00分00秒 | ツツジ科

2021.05.11撮影              
花が上段まで咲きました。まんまるですね。薬玉(くすだま)みたい。

 
2024.05.03撮影(上から)          2024.05.03撮影(上から)

咲いた花のかたまりを真上から見ると、花柄が見えます。
この園芸種では、花柄の色が朱色っぽい〜赤っぽいです(左上の画像)
花がツボミの時や、まだ若い時には、薄緑ですけど(右上の画像)。

ツツジ属の花は、ツツジにしろ、サツキにしろ、シャクナゲにしろ、花が艶(あで)やかで、オシベ、メシベも目立っています。シベは、長く、ネコさんたちのヒゲのようにも見えます。

2024.05.01撮影
画像中右向きの花は、花のかたまりの上の段の方に咲いている花。
真上に向かってではありませんが、方向としては上に向かって咲いています。
シベは、ほぼまっすぐ。

2024.05.01撮影
横向きに咲いている花です。
シベの先が曲がって、上を向きます。

2024.05.01撮影
これも横向きに咲いている花。
同様に、シベの先が曲がって、上を向いています。
一番長く、先が濃いめの色のがメシべ、複数あるのがオシベです。

ツツジ属のシベは目立つので、ついでに、シベをシゲシゲと見ることにします。

花の一般的な作りについては、次のようなサイトで見ることができます。


2024.04.28撮影

オシベは、ふたつの部分からなります。先端がヤク、そのヤクを支えるのが花糸です。ヤクはさらに左右に半分ずつに分かれます。花粉はヤクの中に入っています。


シャクナゲの場合、ヤクは、花糸の先にかぶさるようについています。ヤクの半分半分は、それぞれが筒のように見え、上部はくっつき、下部は割れています。花粉が成熟すると、筒の先端が裂け開きます。この成長段階のシャクナゲの花を覗き込むと、ふたつずつの目に見返されているような感じになります。

上の画像は、次の画像の、真ん中に写っている花を拡大したものです。

2024.04.28撮影

バンクーバーには、いたるところにシャクナゲが植わっています。公園、大学のキャンパス、個人の庭、等。それで、季節になると、どこへ行ってもシャクナゲの花を見ることができます。

バンクーバー近辺は、土壌が酸性に傾いています。シャクナゲは酸性土を好むので、この地に合っている、というわけです。

わたしは、シャクナゲでなくてもいいのですが、ツツジ属の花が庭にもう少し欲しいと思っています。計画はあるんですが、なかなかピッタリと気に入ったのが見つかりません。

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マゼンタの花、シャクナゲ 1

2024年05月06日 08時00分00秒 | ツツジ科
2024.04.28撮影

今日から数回、色がマゼンタの花をわたしの庭からお届けしたいと思います。

「マゼンタ」ってなんだ、ということになると、次のような表現が出てきました。

>> 明るく鮮やかな赤紫色
>> 紫がかかった濃いピンク
>> 紅紫色(こうししょく)


わたしの母は、この色を「フクシャ」と言うんですが、それは、花の名前「フクシア」です。


2024.04.28撮影

今日の花は、マゼンタのシャクナゲ。シャクナゲは、ツツジ科ツツジ属の植物です。今日ご紹介のシャクナゲの園芸種名は、控えておかなかったので、わかりません。シャクナゲの色は多様ですが、このシャクナゲは、特に色が気に入って、求めました。今、きれいに咲いています。

学名 Rhododendron
和名 シャクナゲ(石楠花)
ツツジ科(Ericaceae)ツツジ属(Rhododendron

「ツツジ」「サツキ」「シャクナゲ」という名称の違いは、踏み込むと、その泥沼から出てこられそうにないので、今回は、パス。

今日掲載する画像は、晴れた日に撮影されたものと、雨の降っている最中に撮影されたものが入り混じっています。雨が上がってからではなく、雨の中で撮影を強行したのは、雨が何日も降って、降り止まなかったからです。画像に現れる色調の違いは、撮影環境によります。

では、ツボミの成長過程をご覧ください(画像は、同一のツボミではありません)


2024.04.20撮影
葉が5〜6枚やや食い違って出た枝先に、ツボミのかたまりが形成されます。
ガク(総苞?)がウロコ状に互い違いに重なっているのが見えます。

2024.04.28撮影
花びらが覗くようになります。

2024.04.28撮影
花びらがもっと見えるようになります。

上の画像のツボミのかたまりよりも、花数の多いツボミのかたまりだと、
以下(左下の画像)のような感じ。

 
2024.04.19撮影(斜め横から)        2024.04.19撮影(真上から)
真上から見た画像(右上の画像)では、葉が放射状に出ているのがよくわかります。

2024.04.28撮影
花びらが長くなって、というか、背が高くなってきます。


2024.04.21撮影
咲き出しました。
咲き出した翌日には・・・

2024.04.22撮影
一番下の段の花が(全部かな? 向こう側は見えない)開きました。
個々の花は、かたまりの、外側=下側、から開き出します。

2024.04.26撮影
2段目の花も開きました。3段目は、まだツボミです。

つづく

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黄緑のジンチョウゲ

2024年05月03日 08時00分00秒 | ジンチョウゲ科

2024.02.06撮影

外国に長く住んでいるわたしは、日本の植物が恋しくなることがあります。ただ、植物は生きているモノなので、ほしいからと言って、土地に合わないものをムリ強いして引っ張ってくることはできません。でも、そういう誘拐行為をしたことはあります。

わたしは、例えば、ジンチョウゲ(Daphne odora)やクチナシ(Gardenia jasminoides)やサンショウ(Zanthoxylum piperitum)がほしいんです。あらら、みんないい匂いのするものばかりね。

・サンショウは、手配したのだが、結局手に入らなかったので、失敗したことはない😁 
・ジンチョウゲは、一度植えて、申し訳程度に花が咲いて、翌年枯れ木になっていた😝 
・クチナシは、誘拐はいけない、とお行儀よくしていたところ、
耐寒性のある園芸種が作出されました!! という謳い文句につられて、手に入れ、
一夏きれいに咲いて、おお、この調子で行くと、と思ったが、一年で終わりだった😳 


2023.03.28撮影

これらの植物(ジンチョウゲ、クチナシ、サンショウ、など)は、「バンクーバーでなんとか育つ」と言う人もいれば、「ん〜〜〜、ちょっと危ない」と言う人もいます。要するに、これらの植物にとっては、バンクーバーは、生育条件がギリギリのところなんです。

そこで、気候変動が話題に上ることになります。気温が上がることにより育てられるようになる植物がたくさんあるので、温暖化現象は「悪いことばかりではない」と言う人もいます。そうだろうか・・・代わりに維持できなくなる球根類は多い、と思うんですが。


2024.02.06撮影

わたしのほしかったジンチョウゲDaphne odoraは、一春咲いただけでいなくなってしまいました。でも、わたしの庭には、ジンチョウゲが何株もあります。それは、日本のジンチョウゲのようなアズキ色(あるいは、白)の花ではなく、黄緑色の花です。今日の画像は、みんなこの黄緑色のジンチョウゲです。

日本では、このジンチョウゲはローレルジンチョウゲと呼ばれるようです。「ローレル」とは、「ゲッケイジュ(月桂樹)」です。実際、ローレルジンチョウゲは、ゲッケイジュにやや似ています。


2006.03.27撮影

学名 Daphne laureola「ゲッケイジュのジンチョウゲ」
英名 Spurge-laurel
和名 ローレルジンチョウゲ(ローレル沈丁花)
ジンチョウゲ科(Thymelaeaceaeジンチョウゲ属(Daphne

このジンチョウゲは、わたしが植えたのではありません。鳥さんたちがバラまいていってくれたものです。庭のあちこちから芽が出てきます。

ローレルジンチョウゲの花の咲き方の特徴は、枝の先、頭、に咲くのではなく、「一重についた葉」の下に咲くことです。日本によくあるジンチョウゲは、枝の先にこんもりと咲きます。

2024.01.31撮影

上の今年1月末の画像では、雨がローレルジンチョウゲの葉にかかっており、この日も雨だったんです。バンクーバーは、しょっちゅう雨。画像の不鮮明さは、雨のせいにしておいてください。

背景のミヤマシキミ(Skimmia japonica)は、まだツボミです。画像中心のローレルジンチョウゲは、左側がまだツボミで、そのツボミの先端が、親指と人差し指でつまんだように平たいです。右側は、花が開きかけています。

このボヤけた画像を無理に拡大して、花の部分をお見せすると、次のようになります。左側のツボミの先端の様子が、この画像で判別できますでしょうか。あはは、雨も拡大されちゃった。

2024.01.31撮影(拡大画像)

ローレルジンチョウゲの原産地は、
⚪︎ ヨーロッパのほぼ全土
⚪︎ アフリカのアルジェリア、および、モロッコ
です。

しかし、
・オーストラリア、および、ニュージーランド
・アメリカのワシントン州、および、
国境を北へ越えて、わたしの住むカナダのブリティッシュ・コロンビア州
などで、侵略的・浸潤的外来種となっています。


ほんと、庭中、いっぱい出てくるんですよ。そして、10cm以上ぐらいになると、手で引っ張っても抜けない。掘り返すしかない。タネでも増えるし、また、根からひこばえも出る。日向でも日陰でも平気。生命力が半端ではありません。

2024.02.03撮影

ローレルジンチョウゲは、常緑です。これは、バンクーバーの庭では、大変ありがたいです。

花が終わりかけると、次のようになります。オレンジ色っぽい黄色であったオシベが、白っぽく色を失ってきます。きれいな黄緑色であった花の色が、茶色っぽい黄緑色に変わります。そして、花の下部の子房の部分が、黄緑色に丸くふくらんできます。(画面全体がオレンジ色っぽいのは、夕陽を浴びているからです。)


2023.04.30撮影

次の画像に、緑色にぷっくりふくらんだ実が見えます。この果実が熟れると、真っ黒になります(黒く熟れた果実の画像がなく、申し訳ございません)。この果実は、人間には毒ですが、鳥には毒ではなく、鳥がそれを食べて、タネを拡散して *くれ* ます。


2024.04.06撮影

もっと花が若かった時の画像(次の画像)もご覧ください。オシベはオレンジ色がかった黄色です。ここまで花数が多くつくと、パイナップルを想像してしまいます。

でも、ローレルジンチョウゲは、果実だけでなく、全草が人間にとって毒。日本に多く見られるジンチョウゲ(Daphne odora)も、全草、毒。いい匂い、とジンチョウゲに顔を近づけて、お肌をかぶれさせませんように。

ローレルジンチョウゲは、個体により、強く芳香のものと、まったく匂いのないものとがあります。うちにあるのは、匂わない。

2014.03.24撮影

いかがでしょう、この黄緑のジンチョウゲ。わたしは、きれいだと思うし、好きです。それでも、あんまりたくさん庭に出てくるので、いつも戦っています。植え替えが、なぜか上手く行かないので、出てきて欲しいところに上手く出てきてくれることを祈るばかりです。

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ご近所のチューリップ 2

2024年05月01日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ

今日も、ご近所さんのチューリップを続けます。画像の撮影日は、全て、2024年4月10日です。

今日は、まず、黄色いチューリップから。冒頭の黄色いのは、花の姿が丸いです。「赤、白、黄色」と歌われる「黄色」というのは、こんな素朴なチューリップでしょうか。

もうひとつ、黄色くて丸いチューリップをどうぞ。ちょっと白いっぽい黄色です。


次も、黄色いチューリップですが、これも色合いが異なります。また、花の姿が縦長です。それだけでなく、花びらの先の尖り方も異なるんですよね。この黄色のは、ぷつっと尖っている。特徴を見だすと、果てしがない・・・


次の2枚も、花びらの先が尖っていますが、上の黄色(上の画像3枚)とは異なり、細く尖っています。薄い黄色の(次の画像)と、クリーム色〜黄緑色がかった白の(次の次の画像)と、です。次の2枚では、白の方が縦長ですね。



もう1枚、先の尖ったのを。でも、あまり尖っていないかな? ツボミなので、はっきりしません。



うちに植わっているチューリップは、だいたい次の4種類の運命に分かれていきます。
1。いわゆる「原種チューリップ」で、増えて行く
2。何年も咲いている特定の園芸種、でも、特に増えるわけではない
3。比較的新しく植えた園芸種で、今後何春咲いてくれるか、まだわからない
4。消えつつある、あるいは、消えてしまった園芸種

ご近所のチューリップで毎年咲くのは、何年も地植えされているものです。園芸種であるのはわかっているのですが、このように毎年咲くのは、手の込んでいない、というか、あまり操作されていない、というか、原種の性質を残している園芸種であるのだろう、と思います。

次は、縁取りがはっきりと見えるチューリップを、どうぞ。


前に、そんな縁取りのあるチューリップを、わたしの庭からご紹介しました。次の画像。



チューリップは、チューリップ属(Tulipaの総称ですが、園芸種は別にして、その属に一体何種のチューリップの原種が属しているのか、わたしはリストを見たことがありません。探し続けようとは思いますが、チューリップは商品化が進んでいて、分類と言えば、流通用として分類されるので、生物学的な分類なんかどうでもいい、あるいは、交雑が進みすぎて分類できない、というところなんでしょうか。

今のところ、ディビジョン15、あるいは、16まで設けられています。簡単に分ける場合には、咲く時期によって、初期咲き、中期咲き、後期咲きの3グループに分けられます。

前回と今回お見せしているチューリップは、よそ様のものなので、園芸種名は分かりません。

でも、ディビジョンだけでも推測すると、次のは、ディビジョン8のヴィリディフローラ(Viridiflora)ではないかと思います。花びらに緑の部分が現れます。Viridiflora の viridi というのは「青緑」、flora というのは「花」という意味です。また、花びらの先が尖り、咲くに従い外ヘ向かって反れるのも特徴です。


次の、えんじ色とワインレッドの間ぐらいの色のチューリップも、ご覧ください。なんか、重たそうな頭ですね。なぜなら、八重だからです。


このチューリップは、花を上から見ると、次のようになります。ディビジョンで言うと、ディビジョン11の八重遅咲き(Double Late)になると思います。


これらのご近所の、園芸種の中でも特に原種から離れている
・ディビジョン8・ヴィリディフローラ(Viridiflora)
ディビジョン11・八重遅咲き(Double Late)
の地植えの個体が、これから年々どのように花を咲かせ続けるか、観察していきたいと思います。また、これらの園芸種が、その園芸種としての特徴を保持していくか、興味があります。と言うのは、園芸種は消えていったり、消えなくても先祖がえりしたりするからです。

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