営業の移動の車の中で、当時出始めの携帯を使って兄へ
「お兄ちゃん、なんかおかしくて、会社とかお客さんが俺の事恨んでいるみたいなんだ」眠れない日が続き幻視やら幻聴が出ていた
その日の夜の11時過ぎだったか今もある(笑)掃除機のコードを玄関の上部の突起に巻き付けて今夜こそって決意したところだったと思う、突然兄が現れた、遅くなったと、仕事終わり職場の県外から、高速すっ飛ばして来たという、眠剤もなくここ数日眠れていないと話すと、外に連れ出し当時兄の車であったホンダのCRVに乗せられ通院していた病院へ、明かりの消えた玄関の戸を叩き当直の看護婦を呼び出し眠剤を出すようにとインターフォン越しで、看護婦はこんな時間では無理だと応答した、すると兄は戸を強く叩き「弟が眠れないでいるんだ！ほっとけって言うのか！」すごい剣幕で怒鳴り始めた、看護婦は渋々何錠かの眠剤を出してくれた
家に帰って
「○○、お前はいつもキリッキリ、高い山に張ってあるロープで綱渡りしているようなもんだ」
「それとお前のゴメンナサイはこうだ、ゴメンナサ～イでいいんだぞ」と両手を合わせ腕を伸ばして鋭角にし、両手をいっぱいに広げて見せた
「やってみろ、ゴメンナサ～イ」
兄に合わせて両手を開きながらゴメンナサ～イをやってみた
忘れられない夜です
時が流れるのは早いもので、もう20年以上前の事、あれからそれぞれいろいろあったけど
なんとか食べて、生きていけてる(笑)
一昨年兄から譲り受けたCRVは20年間乗り廃車になった
お互いいい歳、おじさんになっちゃたね
これからも「お兄ちゃん」とずっと言っていたい、元気でいて欲しい
