78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎新聞配達をやってみた ~配達編3~

2009-11-23 05:41:41 | 本当の日記はこちら
ついに恐れていた事態が起きてしまった。



11月21日の朝刊。

「チラシもっと綺麗に入れろよ! 一番遅ぇくせによ」

当方に向けての罵声。一番怖いA先輩である。



当方の所属する販売店は、近くの団地だけで1200部以上の朝刊を入れなければならない。

当方の区域は約270部入れればいいが、なんとこの団地の1200部はたった2人で配達しているのだ。

さすがにチラシ入れまでその2人にやらせるのは酷であるため、全員で手分けして入れることになる。それでも一人あたり200部以上は入れなければならない。

つまり当方は、毎朝470部以上ものチラシ入れをしている。



この日はA先輩ともう一人が団地担当だった。



当方はいつも、自分の区域270部のうち中継ポイント送りの75部分のチラシ入れを最初に済ませる(これはPPバンド2本で梱包してワゴン車に積む。運転担当が中継ポイントまで持っていってくれるのだ)。
次に、残りの200部弱は後回しにして団地のチラシ入れに取りかかる。
団地が終わったらようやく残りの200部弱のチラシを入れ、全てバイクの荷台に積む。

つまりチラシ入れの順番はこういうことになる。
(1)自分の配達区域(中継ポイント送り):75部
(2)団地:約200部
(3)自分の配達区域(バイク荷台):約200部



この日も(1)から始めた。自分の区域なので速さ最優先で進めた。

次に(2)。これが問題だ。これはA先輩の分なので、丁寧さも求められる。
急ぐことを第一に、かつなるべく丁寧に、を心掛けた。



しかし、

冒頭のA先輩の怒号が飛んだのはこの時だった。



当方の「精一杯の丁寧」は「雑」と見なされたのだ。
入社して1ヶ月と1週間が過ぎたが、まだチラシ入れのコツがつかめていない。


後に他の先輩が「Aさんの言うことは気にするな。俺も最初は酷く言われてたし」と励ましてくれた。怒られた時は空気も悪くなっていたし、他の人にも申し訳ないことをしてしまった。




翌日。
また同じことで怒られたらもう救いようが無くなる。
(2)は丁寧さを第一に恐る恐る行った。

そして、(2)が終わる頃だった。


「オイ、いつになったら速くなるんだよ! せめて人並みの速さでやって貰わないと困るんだよ!」


この日も団地担当のA先輩である。
丁寧に入れることに気を取られ過ぎて、速さまで気が回らなかった。
団地のチラシ入れが遅すぎると団地担当の仕事がスムーズに進まなくなってしまうのだ。
イライラさせてしまうのも無理はなかった。

急いでやれば「雑だ!」
丁寧にやれば「遅い!」
当方はいつめ速さと丁寧さのバランスが取れない。これは前職からの悩みでもあった。



しかも、さらに続けてこう言われた。

「それと配達。遅すぎる! 遅くても4時半には終わらせろ! 何でいつも5時過ぎるんだよ!」



更に恐れていたことをとうとう指摘されてしまった。

この日までの、当方の朝刊配達完遂のベストタイムは4時55分。なんと25分も縮めろと言うのだ。

しかも、この日は健康診断があり、前夜8時から何も食べていない。あまりにもバッドコンディション過ぎる。



それでも考えている暇はない。大急ぎでチラシ入れとその他諸々の準備を済ませ、当方のバイクは過剰にふかして五月蝿く鳴り響くアクセル音と共に発進した。

(つづく)

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