毎年恒例の小野市レコードコンサートですが、今年は、11月12日に開催が決まりました。そこで、昨年度の反省がありましたので、今日は会場の音場の確認を行いました。
昨年度の反省点ですが、音質的に低音がもたつくような音がしてる、というのがありました。場所は、小野市のコミュニティセンターの大会議室になるのですが、この部屋では、特性的に低音がにじむような、何かもたついたような音になるのです。
そこで、今回は事前に計測し、対策を行ってから本番に臨む予定です。
早速、設営開始です。
設営完了し、計測へ。
最初は部屋の残響音などの確認です。測定に使用した機材は下記です。詳細説明は省きます。
紺色のシャツを着たS氏がまさにこの道のプロフェッショナル。MJ誌にも寄稿しています。まずは可聴帯域でスイープさせ、特性を計測します。
その結果、下記のような残響特性。
低音域で2秒程度の残響音がある様です。
そこで、部屋に事前に用意しておいた、下記のような音響ボードを設置します。
こんな感じで部屋の周りに設置してみました。
部屋の大きさに対して、こんな小さなボードに効果なんかあるのかいな、と疑問に思っていたのですが、効果があったようで、計測結果にも表れていました。
白っぽい線が、音響ボードを置く前の計測結果で、置いた後が、色のついた線になり、低音域の一部の周波数の残響音が減っているのがわかります。
次に周波数特性ですが、下記図のような感じで計測されました。
低音域(概ね50‐250Hz)がやはり強いようですが、これが、低音がもたついた感じを示していたのでしょうか。そこで、グライコで低音域を抑制するよう調整し、再度計測してみると・・・
低音域が抑制され、概ねフラットな特性になりました。
音楽を鳴らして確認しても違いが結構判ります。私個人的にはこれでも低音がもたついている感じが少ししましたが、広い場所で残響音も大きいので、これは仕方がないのかもしれません。
この後運営のやり方などの少し話し合い、撤収し、会場を後にしました。
こうやって、事前に計測し原因を把握するのが、この会のいいところです。とかくオーディオマニアは、耳を頼りにしている人が多く、他人の意見に耳を貸さない人がままある中で、このように科学的な知見を持って対処するのは、音質改善する上でも役に立つと思います。
かといって、ある程度は改善できたとしても場所が場所だけにそんなに良い感じになるかといえば、何とも言えませんが、次回の開催も楽しみにしたいと思います。
次回のレコードコンサートは、できれば800ダイナミックカップリングアンプを持参したいと思います。
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