「私も負けとられん…」2人暮らしの父親を亡くした女性 生前の言葉を胸に前を向く 石川・輪島市 (2024年2月14日) (youtube.com)
能登半島地震から1カ月あまりがたちました。父を亡くした石川県輪島市の女性はいま、父が生前話していた言葉を胸に刻みながら前を向こうとしています。 土中美紀さん: 「1月4日、朝の7時。石川県輪島市山岸町私の自宅です。1階が潰れて見えません」 輪島市山岸町に住む土中美紀さん(47)。父・健一郎さん(74)と2人で暮らしていました。 地震で自宅は全壊。健一郎さんは亡くなりました。 土中美紀さん: 「年の暮れにおせちを3段作って『きょうは夕方、娘も帰ってくるし、みんなで食べようね』って言って、お父さんまたつまみ食いするかなと思ったから『おせち先に食べんといてや』って言ってほんで仕事行ったんやけど」 これが最後の会話になりました。 土中美紀さん: 「今思えば、本当にそんなこと言わんとけばよかったなって。ちょっとでもね、食べてくれとればよかったかなって思う」 当時、穴水町のホテルで勤務していた美紀さん。健一郎さんと連絡が取れないまま一人、羽咋市のホテルへ避難しました。 土中美紀さん: 「どっかの避難所におるやろって思ったから…思いたかったんかな…でもみんな大丈夫、大丈夫って絶対見つかるよって言って励まして貰いながら避難所に着いて…本当に輪島に帰りたかった」 遺体と対面したのは3日後のことです。 この日、美紀さんが向かったのは、のと鉄道の穴水駅。 土中美紀さん: 「“のと鉄道”って書いているあそこにも父がおったりで仕事しとった」 美紀さんの父・健一郎さんは鉄道の保線作業員。最後の職場はこの穴水駅でした。 石川テレビが2008年に放送した番組。そこに、健一郎さんの姿がありました。 美紀さんの父・健一郎さん(当時): 「花形は運転士やけど、縁の下の力持ちという影の存在・黒子的存在やね」 土中美紀さん: 「お父さん? あーお父さんや」 2007年に起きた能登半島地震。この時、健一郎さんは住民の足となる鉄道の早期復旧に尽力しました。 美紀さんの父・健一郎さん(当時): 「地域の皆さんのために復旧しないとと本当にあの時思いました」 土中美紀さん: 「私も負けとられん。本当に私、何にもできんけど復興したらやっぱり輪島帰ってきたいなって思うし、元気にしていきたい」 地震から1カ月が経ったこの日。美紀さんは40年あまり過ごした自宅にいました。 土中美紀さん: 「お父さんの座っていた座布団出てきた。これに座っとった」 思い出の品を探すためです。 土中美紀さん: 「これはやめておこう…もうだめだ…」 すべてを持って帰ることはできません。 美紀さんはいま、金沢市内の「みなし仮設」で暮らしています。部屋に溢れるのは、持ち帰った家族の思い出の品々。 気持ちを切り替えることはまだできません。それでも… 土中美紀さん: 「(父の遺影を見て)ずっと笑っとる怒ることもないし、なんか…しっかりせんかって言われそう…泣いとったら」 父との思い出を胸に刻み、美紀さんは前を向こうとしています。
春節で訪日客が殺到 目当ては“世界一アイス”“映え丼ぶり”など…日本グルメ爆食【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年2月14日) (youtube.com)
中国の旧正月「春節」の大型連休が始まっている。日本のグルメを目当てにやって来る中国人観光客が増えている。お寿司や天ぷらだけではなく、SNSで知ったという日本人も驚く意外なグルメが人気だという。 ■釣りやバドミントンなど…高速無法地帯 世界遺産「万里の長城」では、チケット売り場前の広場に人が押し寄せ身動きがとれない状態だ。 観光地へ向かう幹線道路では、各地で大渋滞が発生した。 中国では春節に合わせ、全国の高速道路が無料となったためマイカーで移動する人が急増した。 高速道路上にもかかわらず驚きの行動に…。雪合戦を始める人たちもいれば、犬の散歩を始める人まで現れる始末だ。 中には、バドミントンを楽しむ人たちの姿もある。挙句の果てには川に釣ざおを垂らし、釣りを始める人まで見られた。 中国の春節、国内では延べ90億人が移動するといわれている。 ■ぜいたく映え丼 雑居ビル地下に大行列 外国人観光客でにぎわう京都には、中国からの観光客が殺到する大人気グルメがある。 雑居ビルの地下に伸びる行列。日本人でも見逃しそうな場所にあったのは、たっぷりと敷き詰められたお肉に、ウニ・イクラ・卵黄がのった、まさに映え丼ぶりだ。 中国のSNSから 「寝ても覚めてもずっと食べたいすてきなご飯」 中国から来た観光客 「SNSでもここが人気だったんです。とても楽しみですね」 この店に来るのを楽しみにしていたというカップル。注文したのは…。 台湾から来た観光客 「イクラとウニが入っている『鴨のひつまぶし御膳 特製バージョン』を注文しました」 観光客がこぞって注文するのは、ごはんの上に鴨のロース肉がこれでもかと敷き詰められた丼ぶり。そこに、ウニやイクラが散りばめられ、真ん中には卵黄が鎮座するぜいたくの極み。 中国から来た観光客 「ご飯の上の具材は花の形でとてもきれいです。すぐ写真を撮りました」 その場で、カツオ節にお湯をかけ、自分でとっただしをかけて味変。 中国から来た観光客 「味はおいしかったです。そして、この食べ方も新鮮ですね」 台湾から来た観光客 「カツオ節のだしが効いていて、とてもおいしいです」 味に大満足の観光客たち。人気の秘密は、見た目だけではない。 こちらのお店では、メニューが絵文字に!「鴨」と「ご飯」のイラストで、鴨のひつまぶしを表現している。 中国から来た観光客 「言葉が通じなくても大丈夫だと安心できた」 豪華な映え丼ぶりを撮影して楽しみ、食べて笑顔に。日本のグルメを堪能した中国人観光客は…。 中国から来た観光客 「『隠れ家的なお店でお茶漬けを食べました』と書きます。お茶漬けに興味がある方は試す価値がありますよ」 ■本場超え? 幅5cm…モチモチ幅広麺 開店直後から、お店の前には長蛇の列。その多くは、中国や台湾からの観光客だった。 中国のSNSから 「麺の食感が大好き!」 「並んでも絶対に食べてみるべき」 SNSに投稿されているのは、幅5センチほどもある、謎の麺。 上海から来た観光客 「食感がモチモチしていて、すごくおいしい!」 平たく伸ばした麺が特徴の「うどん」。ツルツルモチモチの食感が自慢だが、麺が滑ってうまくつかめない事態が続出。麺の本場の中国人たちも悪戦苦闘している。 さらに、SNSには「ビャンビャン麺に似ているけど全く違う。これは食べてみる価値アリだ」といった声も上がっている。 ビャンビャン麺とは、漢字で書くと一文字の画数が57画もある、中国・陝西省発祥の麺料理。中国では、酢や醤油を入れたタレで食べるという。 中国から来た観光客 「ビャンビャン麺も同じぐらいの幅ですが、この麺は甘みもあって好きです」 ■“世界一濃い”抹茶ジェラート目指し来店 中国人観光客がお目当てにする日本のグルメは他にもある。 中国のSNSの投稿には、あざやかな濃い緑色のジェラートがずらり! 中国のSNS 「世界一濃いと言われる抹茶」 「世界一濃い抹茶の味はどんなものか。食べれば一生忘れられない味になる」 店の前には、開店前にもかかわらず、人だかりができている。オープンと同時に、店内へお客さんが一気に流れ込む。 今、世界一濃いと評判のジェラートを目指し多くの中国人観光客が訪れているのだ。 中国から来た観光客 「SNSとか見て(来ました)」 「人気、大人気。すごく大人気」 老舗お茶問屋が手掛ける「抹茶ジェラート」は、抹茶の濃さを7段階で選べるのが特徴。最も濃い「7番」は、茶葉がそのままジェラートになったような濃い緑色。使用する抹茶の量は企業秘密だという。 もちろん、観光客が頼むのは最も濃い「No.7」。 中国から来た観光客 「私たちは抹茶が大好きです。この店は、中国版SNSで多くの人が紹介しているので、ここに食べに来ました」 こちらの家族は、日本に来て最初に来たかった所がこのお店だという。 中国から来た観光客 「7番をください」 30分以上並んで買った、念願の抹茶ジェラート。そのお味は? 口に含んだ瞬間、驚きの表情を浮かべた男の子。子どもにはやっぱり苦すぎるのか…。 男の子 「おいしい!」 「(Q.苦くない?)大丈夫!」 抹茶の団子も堪能し、ご満悦の様子。しかし、中には…。 中国から来た観光客 「苦いです。最初は苦いなと思ったけど、おいしく感じてきた」 「日本に行く友達がいたらオススメしたい」 ■初体験のフグ料理 お味は? 大人食いも 中国のSNSで意外な人気を誇るのが「フグ」だ。 中国のSNSから 「日本に行ったら、フグを食べないわけにはいかないだろう」 「初めてフグを食べて、特別な感覚を覚えた。超満足だ」 浅草にあるフグ専門店には、中国や台湾から来た多くの観光客の姿があった。 北京から来た観光客 「(フグを)食べるんだったら日本に来て食べます。安全性(が高い)」 中国では、安全性などの面からフグ刺しなど生のフグは、ほとんど食べないという。 一度は断られたものの、カウンター席に急きょ入れることになった香港から来た観光客。 香港から来た観光客 「初めてフグを食べます。毒があると知っているけど、おいしいとも聞いているので食べたいです」 人生初のフグを食べるために来日したという3人組。注文したのは、フグの刺し身に、鍋、唐揚げ、焼きフグが付いた8000円のコース。 運ばれてきたのは、フグの刺し身「てっさ」。人生初のフグは? 香港から来た観光客 「おいしいです。食べていると、だんだんとうまみが出てきます」 一品目で、はやくもフグのとりこに。フグ鍋「てっちり」が出されると大興奮。 香港から来た観光客 「口当たりが滑らかだね」 「フグってどの料理もおいしい」 「フグは本当に最高です。また必ず食べに来ます」 台湾から来た観光客 「きょうはフグに(15人で)16万円以上使いますが、家族の思い出になるから高くはないね」
奥能登地域 看護師約70人が退職決断 体調崩す医療従事者も…被災地の医療に危機【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年2月14日) (youtube.com)
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県の奥能登地域の病院で、退職する看護師が続出しています。4つの病院でおよそ70人の看護師が退職の意向を示していて、患者の受け入れへの影響が懸念されています。 ■「すずバス」一部路線で運行再開 甚大な被害の爪痕が残ったままの被災地・珠洲に、“市民の足”が帰ってきました。 地震発生直後から全路線で運行を停止していた「すずバス」は13日、一部の路線で運行を再開しました。 利用した高校生 「いつも通りな感じに戻って、少し安心しています」 利用した高齢者 「(運行)してなかったので、都合が悪かったです。うれしいです」 運行は当面、平日に限られますが、運賃は無料。珠洲市民以外でも乗車できるということです。 ■断水続く外来病棟 透析治療が不可能 復旧が少しずつ進む一方で、被災地医療の中核を担う総合病院では、深刻な状態が長期化しています。 能登町の「公立宇出津総合病院」では、地震の激しい揺れで天井の板が落下するなどの被害を受けました。 上野英明事務局長 「こちら壁が全部なくなっちゃってますし。こちらも一部崩落したんですが、『危険だから』ということで、ちょうどいい形に。あとは落とした感じになります」 ベッド数は100床ありますが、スタッフの負担を減らすため、入院患者数を30人程度まで減らして対応しているといいます。 入院患者がいる建物の水道は復旧し手術も行える状況ですが、外来病棟は今も断水したままです。 上野事務局長 「(Q.水が使えないと何が一番困る?)実際、透析が行えないということです。機械にもよるけど、1人1回透析するのに水100リットル近くの水を使いますので、再開がなかなかできないという状況です」 1日おきにしなければならない透析治療が不可能となっています。地震発生直後の混乱のなか、30人ほどの透析患者が命の危険にさらされ、100キロ以上離れた別の病院への移送を余儀なくされました。 ■不眠不休…地域医療を守ってきた職員たち 発生から1カ月後の今月1日、外来診療を再開できました。震災前は一日およそ400人が通院していましたが、現在はその半数の200人ほどの患者が通っています。 外来患者 「気分的にも、ここに来たら安堵(あんど)感がありますよね」 「やっぱり、かかりつけ医っていうのは必要やね。(かかりつけ医に)かかていればね、まず大丈夫と思っちゃうのよ、自分が。何かあったらすぐに来ればいいから」 13日も外来診療にあたった木村里紗医師。地震発生当日は、次々と訪れる救急患者への対応に追われたといいます。 木村医師 「震災の当日いたんですけど、病院に。その時がやっぱり一番大変で、もうバタバタで、全然夜も寝られなくて。(1月)1日、2日はずっと病院にいて、朝も夜もないくらいの感じですごく大変でした」 看護師のまとめ役・総看護師長の栄田真美子さんは、震災直後の病院の状況に目を疑いました。 栄田さん 「廊下に患者様がマットレスのまま寝ているような状況でして、病室の中の物はすべて倒れていたという状況で。本当にここが今まで働いていた病院なのかという感じで、本当にびっくりしました」 「(Q.1月は帰れないというか働きっぱなし?)そうですね。どうしても来られない人とかおりますので。来られる人で頑張ったというような状況はあるかと思います」 職員はすべて、自らも被災していて、住む家を失った人もいます。 栄田さん 「避難所であったり、テントハウス、公民館で住まいを取りながら仕事に通っている。あと、やっぱり通勤していた道が倒壊であったりとか、がけ崩れで遮断されていましたので、回り道をしたりとか、歩いてということで、何とか通ってきた人がたくさんいました」 ほとんど不眠不休で地域医療を守ってきた職員たち。避難所から通う看護師もいるといいます。 栄田さん 「発災直後は、やっぱり自宅が倒壊したとか、環境が変わったとか、そういうストレスがありましたので。それを抱えながら仕事をするということは、心身ともに大変疲弊していたと思います」 ■疲弊する被災地の医療現場 退職決断も… 地震発生から1カ月半。ここにきて、体調を崩す医師や看護師が増えてきているといいます。 木村医師 「今なんとか皆さん出て来られて、診療はしている状態なんですけど。でも、やっぱり体調崩される方っていうのは医師とか看護師さんでもそうですけど、ちらほらいます」 疲弊する被災地の医療現場。奥能登地域では、退職を決断した看護師が70人に迫るなど危機的な状況となっています。 栄田さん 「看護師と看護補助者、合わせて93名ですが、現在のところ看護職員4名が退職の意向を示しております。自宅が被害を受けたということと、環境が変化しているということで。特にご家族の方、自分もストレスがあると思うんですけど、ご家族の方のストレスとか、体のこととかを考えて避難したので、退職せざるを得ないというような状況だと思います」 公立宇出津総合病院では、すでに看護師4人が退職していて、さらに4人が退職する意向だといいます。 厳しい現実の一方で、総看護師長の栄田さんは、復興を支える決意を新たにしています。 栄田さん 「(震災前は)2病棟ありましたけれども、職員数も少なくなりましたので。1病棟のまましばらく様子を見て、いずれは2病棟に戻すことができればというふうに思います」