地震で甚大被害の石川・珠洲市「上下水道の復旧は2月末めど」泉谷市長が見通し示す (2024年2月19日) (youtube.com)
石川テレビでは19日から、地震で大きな被害を受けた能登地区の町のトップに現在の状況や、今後の課題について伺います。 1回目の19日は、珠洲市の泉谷満寿裕(いずみや ますひろ)市長に聞きます。 震度6強の地震に見舞われた珠洲市。災害関連死の疑い6人を含む103人が死亡し、249人が重軽傷を負いました。住宅への被害も甚大です。 全壊は4892棟、半壊は3350棟、一部損壊は5307棟のあわせて1万3549棟に被害が及びました。依然として1243人が市内の避難所に身を寄せています。また市内のほぼ全域、およそ4700戸で断水が続いています。 《まもなく2ヵ月経過、珠洲市の現状は?》 珠洲市・泉谷市長: 「19日で50日目。市民の皆さんが待ち望んでいるのは水と住まいが一番ではないかと思う。水道の復旧は全力で取り組んでいるが、あわせて下水道や浄化槽の復旧も進まないと、水は来たけれども流せないということになるので、上下水道の一体となった復旧を、国土交通省や名古屋市の上下水道局はじめ全国各地の自治体の応援をいただきながら進めているところです。 人工の9割をカバーする宝立(ほうりゅう)浄水場の機能だが、すでに浄水場については復旧が終わっていて、今、中心部の飯田の配水池に向けて仮設配管も終わって通水試験を進めているところ。もう少しで飯田配水池まで水が来る。そうすると主要なところ、病院や市役所などから水を通してみる、あるいは正院、三崎、あるいは若山のほうに水をどんどん送っていくこととなります。 下水道の方は、ちょうど熊谷(くまんたに)ポンプ場というところから浄化センターまでの管は、勾配が逆になっているので、ポンプで上げていくが、その圧送管の仮設が今ずっと進んでいて、月末には何とかなるのではないかというところまできた。ですので、2月末をめどに上下水道の復旧を進めているところです」 《2月末までに…上下水道の復旧スピードは?》 珠洲市・泉谷市長: 「特に水道は、被害の状況によっては、数カ月はおろか年単位になってしまうのではないかというも危惧していた。それからすると、市民の皆様はもっと早くできないか、まだまだ遅いよ、というところがあろうかと思うが、ここまで何とか皆様のご協力ご尽力のおかげで、進めてくることができたと思っています。 特に宝立(ほうりゅう)の浄水場については、水を作る機能がかなりダメージを受けていたが、移動式の浄水プラントを導入することによって復旧の日数を劇的に縮めることができたと思っている。あと簡易水道も4か所あるが、折戸(おりと)の簡易水道については、復旧が終わって、水をどんどん配り始めている。現在149世帯中119世帯が復旧済みなので、こちらも思ったより早く復旧が進んでいるという思いです」 《あと、どのくらい辛抱が必要?》 珠洲市・泉谷市長: 「とりあえずは2月末を目標にとお伝えしたが、そこからどんどん水をお届けする世帯を増やしていこうと思うと、また難しい問題が出てくる。まずは水と合わせて応急仮設住宅の建設をもっと加速化していかなければならないと思っている。例えば正院小学校で、すでに40戸応急仮設住宅完成し、入居頂いているが、そちらについては給水タンクに給水をして、そして排水の方は仮設の地上型の浄化槽を設置することで、何とかその機能を復旧している。ですので応急仮設住宅をどんどん建設することで、水の心配もなくなる。お洗濯もできるし、お風呂にも入れるということになるので、本当に応急仮設住宅を進めていくことが大事だと思っています」 《一般のボランティア足りている?》 珠洲市・泉谷市長: 「2月17日の段階でボランティアの方が38人となっている。片付けたいという方はまだまだたくさんいるので、受け入れ人数からいくと、もう少し多くのボランティアの方々に入って頂くことが、市民の皆さんの前を向く力にもなると思っている。県のボランティアセンター通してとなると中々制約もある。珠洲市の社会福祉協議会が珠洲市のボランティアの受け入れ窓口になっているが、何とか独自の受け入れとか合わせて進めることができればいいのかなと思います」 《珠洲市民、県民に伝えたいこと》 珠洲市・泉谷市長: 「もう一つ大事なのは事業の再開だと思う。事業の再開についても何より水が大事になる。社員・従業員の方に再び働いて頂くためにはこれも応急仮設住宅になると思う。事業の再開に向けては、経産省から手厚い支援策も出ている。壊れた店舗や工場、事務所を解体撤去しないことには新築が進まないので、合わせて全半壊の建物の解体撤去が急がれます。そうした施策すべて組み合わさってきますので、何とかすべてをいち早く復旧進めることができるように全力で取り組んで参りますので、もうしばらく皆さん避難所生活も長引いていますが、体調管理だけはお気をつけて頂きたいと思っています」