相模原市緑区の津久井といえば津久井湖を有する山間の町。
もともとは中世から山城である津久井城が存在し、古くからこの地には人が暮らしていました。
相模川の水量調節と水力発電を主な目的として1965年に城山ダムが完成し、津久井湖ができました。
これに伴い、いくつかの集落が湖の底に水没することになりました。
現在は人の暮らしと自然が調和した景観を見せていますが、この湖はもともと人の造り上げた二次的な自然と言えます。
近代以降、産業や生活用水を確保するためにこのような湖が多く建設されています。
市内だけでも相模湖(1947年)や宮ケ瀬湖(2000年)がそのひとつです。
その一方で、都心部からそう遠くないダム湖は、モータリゼーションが進んだ昭和30年代ごろから行楽地として知られるようになり多くの人が訪れました。
相模湖にはピクニックランド(現:プレジャーフォレスト)が出来、津久井湖もボートや釣りなど気軽に自然を楽しめる場所として県内および多摩地域からの多くの観光客で賑わったと言います。
特に津久井湖は、湖畔を周遊する県道513号があり、ドライブやツーリング客が多かったとか。
その県道の一部として、また湖に隔てられた集落との連絡を図るために建設されたのが三井大橋と呼ばれる鉄橋です。
県道513号の起点は緑区の橋本方面から、城山・津久井・相模湖の町を結ぶ県道413号「太井」交差点。
そこから下り坂を左に大きくカーブすると三井大橋が忽然と姿を現します。
朱色に塗られた鉄橋は周囲の自然と体色を成しており、印象的。
片側一車線の狭い橋であり、2012年に隣に歩行者専用の吊り橋、三井そよかぜ橋が作られたようです。
橋を渡ると県道は、この橋の名前となっている三井集落へと続き、その先は湖を周回して城山の集落までを結んでいます。
三井の集落まではバスも走っているようですが、それほど大きい町でもなく、周囲に駐車場もないため、立派なつり橋も誰が利用するのかなと不思議ではあります。
また、三井大橋は心霊スポットとしても知られていますが真意は不明。
宮ケ瀬湖の虹の大橋をはじめ、湖に架かる橋には色々といわくがあります。
どうやら自殺者が多いとか、県道でのバイク事故が多いとかそのような事実が心霊スポットとしてのイメージをつくっている要因のようにも思えます。
三井大橋周辺は人家もないため、夜に訪れた際は少し怖かったものですが、そよかぜ橋が完成してからは街灯も取り付けられて以前より明るくなりました。
シンプルで細身の三井大橋は女性的な美しさがあります。
三井大橋と並行して架けられています。
歩行者用だからか、照明は明るめです。
晴天時に訪れれば、満天の星空を眺めることができます。
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