大学に入ってからというもの、春休みというと部活の人たちと旅に出る。
長い春休みを利用して出かけられるのは高校3年生と大学生の特権である。
1年の頃は京都を朝から夜まで楽しみ、2年では贅沢にオーシャンビューの旅館に泊まった。
今回はどうやら食べまくる旅になりそうである。
参加者ももちろん違うから、それぞれに影響し合って、毎回テーマが変わるのは楽しい。
目的地は山陽地方。
広島県と岡山県の周遊である。
個人で出かけるのであれば、もちろん新幹線など贅沢な乗り物は利用しないが、大勢で行く場合は安かったりもする。
近畿日本ツーリストのWEBプランで新幹線往復とホテルがセットになったプランで2泊3日25000円ぽっきり。
これは安いということで、久々に山陽新幹線に乗車することになった。
私は旅に出るときは必ずタイトルをつける。
今回のタイトルは「山陽オトナの修学旅行」。
先程、食べまくる旅といったが、それ以上に山陽地域には世界遺産をはじめ多くの名所がある。
それこそ修学旅行のようにあまりにも有名な名所も見学する一方で、時間制限や門限に縛られることのない自由なオトナの旅行。
春の訪れを告げるような、西への旅が始まる。
3月17日。
空はすっきりと晴れ渡っている。
6時台の中央線はすでにもう混雑しているが、集合場所となる東京駅の八重洲口は意外にもすっきりとしている。
もしかしたら他の人は京葉線の地下ホームとかに吸い込まれたり、さっさと新幹線に乗り込んでいるのかもしれない。
この部活の人たちのよくわからないところは、旅行の前日に前夜祭を行うところである。
池袋のカラオケボックスで一夜を明かしてこの場所へ来た人が半数以上というから驚きである。
今回の参加者は10名、うち1人は2日目の現地合流となっている。
適当に買い物を済ませたら、東海道新幹線のホームに上がって、7時10分発の「のぞみ9」号に乗車する。
車両の入り口には「N700A」と書いてあるので、ちょっと新しいやつである。
広島到着時刻は11時14分。
乗車時間は4時間あまりである。
新幹線の車内はやはりサラリーマンばかり。
高速化を求めてしまうあまり、新幹線の車内ではみんな到着するのを待っている感じがあまり好きではない。
旅は行程も楽しみたいところ。
快適ではあるけど、窓は小さいしなあ。
しかし、都市圏を結ぶ大動脈であるから仕方ない。
広島に着くのを大人しく待とう。