安い税金と小さな政府を切望するふきあえずのブログ

安全で暮らしやすい日本をつくりたい
そんな想いを綴っていくブログにしたいと思います

竹中平蔵と小池百合子、二つの人物評本

2021-05-06 23:44:11 | 政治
今から7~8年前、竹中平蔵氏に関する分析本がベストセラーになり、大変売れて読まれたのだそうです
それが「竹中平蔵市場と権力 佐々木実著」という本です
迂闊なことに、当時はその本を知らなかったために読んでなかったのですが、ふとしたことから目にとまり、今読んでいる最中です
もう一つ、「女帝小池百合子 石井妙子著」というジャーナリスティックな本が、昨年でしたかね?出版されました

二つの書籍とも、人物像を描くために詳細な取材と関係者へのインタビューをしっかりと行っており、単なる批判本とは違う中身にはなっています
こういう人物評のような書籍は、正直私は苦手な方でして、何が駄目かと言いますと、その著者の対象者への感情移入が苦手なのです
特に石井妙子氏は、ジャーナリストらしく、ものすごく詳細に取材を敢行しており、情報としては文句のつけようがないわけですが
石井氏は女性の著者らしく、本人は感情移入を抑えて書こうと努力しているようには見えるのですが
どうも小池百合子さんへの嫌悪感がひしひしと伝わってきて、私自身の小池評までゆがんだものになりそうだったので、途中で読むのをやめました
まあ、小池さんのズバ抜けた向上心と言いますか、目的達成に向かうときの強かさは十分に伝わりましたので、それでいいかと思いました
「女帝小池百合子」は、書評では良い本だという評価も多いわけですが、私個人の評価は、情報としてだけ目を通せば十分、というものでした

逆に、人物評としてはなかなか面白いと思ったのが、この「竹中平蔵市場と権力」という書籍です
この著者からは、あまり竹中氏への悪感情が伝わってこない、そこがまず好感が持てました。。私も見習わなくてはいけませんね
そして、関係者からの聞き取りインタビューやエピソード、本人の弁、公式発言などを随分詳細にご紹介してくださっていることが
竹中平蔵氏の人物像をよく浮き上がらせていると思います
では、私自身は竹中氏をどのような人物だと印象を受けたかと言いますと
まず、そつのない、と言いますか、官僚としては如才なく、上司にしっかりと気に入られて出世するすべを知っている人物だと思います
逆に、同僚とか立場が下の人に対しては、上司の権限を使ったりして、割り切って利用するタイプです。。。
官僚という立場を利用して、企業などからお金を出させるすべをよく知っていて、そういう意味では結構したたかです
とにかく、立ち回りが非常にうまいことは確かなので、そのへんの学者というよりは、やはり官僚タイプでしょうか?
そして、人脈を利用する術に長けていて、自分や上司の持っている権限を十分に知り、それをうまく利用するすべを知っている、という印象です
これから先に何が必要になってくるか?どこに所属すれば自分が日の目を見るか?そうした嗅覚に優れた人で、変わり身はとても早い人物です

そうした竹中氏ですから、人脈も当然そういう「自分の出世に役に立つ人脈」を選んでいるわけです
ただ、そうした人物に気に入られるわけですから、非常に機転が利き、頭の回転の速い人物だということはわかります
それでですね、その竹中平蔵氏が、なぜ新自由主義経済学なのか?ですが。。。
私が得た結論では、「出世のため」でしょうね。。。これは悪口ではなくて
彼は、いろいろな点から推測すると、経済学を人間学とか経済理念とかから「こうあるべきだ」などと考えるようなタイプではなく
ドライに割り切って、経済学を単なる技術として、テクニックとして考えているのだろうと推測できます
彼が関心を持つのは「自分を引き上げてくれる人」とか、「自分を出世させてくれる物」なのであって、経済学じゃないんです
だから、日本政府が一番弱い相手。。。つまり、アメリカという権力を後ろ盾にして利用しているんですよ

アメリカ側が一番喜びそうな話は、日本の富。。。企業の技術やお金を自分たちのものにすること。。。
つまり、ウォール街のマネーゲームに興じている政治家や資本家たちが喜びそうなことを知って、その権限に上手く便乗しているわけです
竹中氏の一番いけないところは、自由主義経済学の一部の論理を巧妙に「すり替え」して使っているということです
彼の言う自由な経済とは、経済ではなくて「マネーゲームの自由」なのです
分かりやすく言うと、株主が簡単に会社を買い取って儲けることが自由。。。と言っているにすぎません
経済とは本来、多くの人がそれぞれ知恵を結集して何かを創造することであり、金の力で何かを奪い取って資本家だけが儲けることではありません
企業で働く人の給料が高かろうが安かろうが、彼らには関係がありません、彼らの興味は、もっぱらその企業を買いたたいて儲けることだけです
竹中氏は、日本企業の創造力を高めたり、新規産業を創造したりすることには興味がないんだと思います
だから自由化というのは、とにかく企業買収をしやすくすることだったり、資本家の利益のために人件費を下げることだったりするわけです

私は、小さな政府、規制緩和という理念は正しいと思います
ただ、その根底にある理念がどういうものであるのか?それこそが最も重要なものであり
そこが間違っているからこそ、小さなところで論理のすり替えをして、日本を弱体化し、日本人を貧しくしているのだと思います

やはり竹中平蔵氏は追放処分が妥当だと、私は思います
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デービッド・アトキンソンのマネーゲームに騙されるな

2021-05-06 00:05:15 | 政治
今、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」という本、全3巻を読み始めているんですが、さすがに難解ですね
その中の第二巻「帝国主義」のなかに、面白いことが書かれていて、今の日本が翻弄されている「マネーゲーム」について日記を書きたくなりました

このアーレントの書物を読みますとね、今のデービッド・アトキンソンが菅総理を焚きつけて行わせている「日本経済解体」は
実は、19世紀の欧米の帝国主義とまったく同じ構図だということが分かるんですよ
デービッド・アトキンソン氏らは、実は「マネーゲーム」をやっているんです
デービッドアトキンソン氏が何をやっているのかということは、三橋さんの動画でもよく出てきますし
昨年発刊した私のkindle本「スガ総理の教科書」にもある程度書いています

アーレントの書籍は、「全体主義の起源」というだけあって、全体主義がどのようにできてきたのか?それを明らかにしようと試みているわけですが
19世紀のヨーロッパは、社会制度が目まぐるしく変化した時代で
ブルジョワジーと呼ばれる貴族階級が、土地の所有だけで不労所得を得る暮らしが成り立たなくなりつつある時代でした
当時は政治家も貴族階級も、外地、つまりインドやアフリカのような植民地から資源や労働力を収奪して金儲けをするというような
そこまで強欲なことを考えている人たちではなく、「自分たちの身分と生活が保障されれば文句はない」、という程度で
貴族階級はあまり政治に口出しをする習慣がなく、政治家も貴族の身分と収入を侵さない程度に配慮し、共存していたようです
そこに出てきたのが山師のような投資を煽る人たち。。。今でいうところのヘッジファンドのように投資資金を沢山集める人たちで
「外地(植民地)にはビッグビジネスがたくさんあります。あなたも投資してみませんか?」と
なかば詐欺まがいの話を、貴族らや資産家たちに、上手い話をどんどん持ちかけていったのです

とうぜん、そのような話がみんな上手い話なわけはなく、資金を投資した貴族や資産家たちは随分だまされたわけですが
そのうち、貴族や資産家たちから政治家にどんどん苦情が伝えられ、政治家がその要求に応えるようになっていきました
当然、外地(植民地)における彼らのビジネスが成功するように、軍隊を派遣したり、役人を派遣したりして、政治的に圧力を加え
そのころから植民地の収奪が、どんどん激化していったようです
彼ら政治家は、最初は植民地の自治権を認めていたにもかかわらず、軍隊を送り始めたことろから自治権を認めなくなり
植民地における強制的な安い労働や収奪などが、どんどんエスカレートしていくようになったと言います
つまり、本国の投資家(資産家や貴族たちや投資をする一般国民たち)の不労所得を狙った投資資金が政治家を動かし
植民地の政治ルールを変え、法律を変更させ、半ば強制的に収奪されていくようになったわけです

これを見ると、デービッド・アトキンソンがやっていることは明らかに帝国主義の延長です
要するに、彼に投資している人たちのマネーゲームによって、日本が政治的に社会のルールを変えられようとしているわけです
小泉純一郎と竹中平蔵がやった構造改革も、実は彼らの帝国主義的な政治的圧力によって、外資が日本の株式を所有しやすくしたり
株主の権限を強くするような変更がなされたりして、投資家の絶好のターゲットにされていったわけです
今まさに、中小企業までM&Aの的にされ、日本の技術的資本を盗み取って大儲けしようとする投資家たちの
そのマネーゲームが静かに進行中であるわけです

みなさん、デービッド・アトキンソンの名前をよく記憶して、その悪だくみを広めてください
マネーゲームで日本を解体されて切り売りされては困ります。。。こういう善人の顔をしたハイエナを日本から追い出しましょう
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