この奥に
久しぶりぶりの記事になります。
皆様お元気でしたか?
今年の夏は、夏らしくない夏があっという間に過ぎていったという感じでした。
お天気はいつも曇り空だったような印象なんですが、皆様の住む処はいかがだったでしょう。
いつものことながら、記事になることはそれなりに出来事としてあったものの、臆病風邪を罹ってしまい、なんとなくご無沙汰となっておりました。
ザックリ羅列すると・・・、人との別れ、夏フェス、お盆、引くに引けずのお高くついた衝動買い等々。
ですが今日は、追記するといったままの韓国旅行のひとコマについて書きます。
写真は、2日目にいった仁寺洞(インサドン)のフリー時間に歩いた路地です。
大通りからこの路地をヒョイとみたとき、なんだかとてもしっくりと、落ち着く感じを受けたんですね。そして、何かに導かれるような不思議な感覚で路地に入っていきました。何軒か、食堂のようなお店があるものの、進む先はだんだん狭くなってきて行き止まり風になったので、そこで折り返し、また大通りに戻って行きました。
大通りには大勢の人が溢れ、観光客目当てのお土産物屋さんだったり、飴細工屋さんだったり、昔の警察の民族衣装を来たパレードなどが行われていました。詳しい名前は忘れたのですが、東京の表参道ヒルズのちっちゃい版のようなショッピングモールも、これまた大勢の人でごった返していました。ただ、どこもせわしなくて、その時の私の気分じゃなかったんですね。
まだフリーの時間はあるし、どうしたものか・・・と思って考え、 “やっぱ、さっきの路地に行ってみよう”と思い立ち、再び路地に戻りました。
行き止まりかと思っていたあたりの左側に、日本語で書かれた文字をみつけ、喫茶店の類か?と思い、そろ~っと中を覗いてみました。すると、入り口付近に座り新聞を開いていた若い男の子が私に気が付き、ガバッと新聞を閉じたかと思うと、 “アンニョンハセヨ”と笑顔になり、店内へ促してくれました。
一見、お客さんは誰も居らず、どこに座ればいいもんだか迷っていると、日本語で“どこでもかまいませんよ”(だったかな?)とのこと。なので、喫茶店ぽくない、靴を脱いで座る席にあえて座ってみる。
ほどなくしてメニューを持ってきてくれた。飲むなら五味子茶(オミジャチャ)と決めていたので、迷わず注文した。一緒に韓国菓子も試してみようとオススメを聞いてみると、お茶についているものがあるので、足りなければまた注文されたらいいかと思いますとのこと。バイトくんらしきその青年は、とても上手な日本語を話してくれる。
韓国の古民家風のインテリアがいたるところに施されている店内。
今風のモダンな喫茶店がどうも好かない私には、ほんに落ち着く内装だった。
私の座った座敷仕様のところは、土壁の下地の竹が編んであるようなつい立を隔てて隣には椅子席があり、韓国人女性2人組みが先客でお茶を楽しんでいた。もちろん聴こえてくるのは異国の言葉、韓国語。
う~ん、私は今、旅人なのね・・・と、妙な満足感があった。
しばらくして、注文の品が運ばれてきた。
日本の茶道で使う茶碗ばりの大きな茶碗に、五味子茶がなみなみと注がれたものと、お茶請けの揚げ菓子とお餅、それにちっちゃな饅頭が添えられていた。そのボリュームにはビックリした!焼肉屋さんに行って、おかずがたくさん並べられるおもてなしと同じことなのかな?
甘くてちょっとすっぱい五味子茶をすすり、お茶菓子を食べ、 “ふぅ~。ここでお茶飲むことができただけでも、韓国に来て良かったなぁ” なんて思いながら、ゆっくりとお茶を味わい、店の雰囲気も堪能しながら、よい時間を過ごすことができた。
途中、そういえば、以前韓国に来たときもこんな感じのお店に連れて行ってもらって、母たちとお茶を飲んだなぁと思いながらいたのだが、勘定するときに、まさかとは思いながら、勇気を出してバイト青年に、
「ここって、10年くらい前からありますか?」
と聞いてみた。
バイト青年は、調理場の中にいる店長らしき人に、韓国語で通訳してくれた。
すると、店長らしき中年男性が(私と同い年くらいかなと思われる)、小さな間口のカウンターから顔をみせ、韓国語で話してくれた。
バイト青年によると、「店はありました。」とのこと。
そして、「少し店の中の位置が変わりましたか?」
と聞くと、バイト青年→店長→バイト青年と経由されてから、
「以前は調理場が向こうにありましたが、こちらに変えました。」という。
やっぱり、この店は以前に母らと一緒に連れてきてもらったお店だったんだ!
とてもとても嬉しかった!
バイト青年に、
「10年くらい前に、来たことがあるんです。そのときには竹の絵が描いてあるマッチをもらって帰りました!」
と、やや興奮して話すと、それまた通訳してくれて、
「今は禁煙だからマッチはないけれど・・・」と言って、店の名刺を手渡してくれました。
特に下調べをした訳でもなく、なんとなく惹かれて入ってみたこの路地で、
以前に連れて来てもらった喫茶店に再び廻り遇うことができたのも、なんだか運命を感じてしまいました。(大袈裟かなぁ。笑)
でも、ほんとに本当に嬉しかったなぁ。
死んだ母さんと逢えたような気もしました。
数分後。
ガイドさんと落ち合い、喫茶店で日本語の上手なバイト青年がいたと話すと、
最近は土日など、観光客向けに外国語ができるバイトの子を雇っているところが多いのだとか。私は地方暮らしだからわからないけれど、東京あたりの観光名所の喫茶店なんかでも、英語ができる学生さんを雇ってるのかな。
バイト青年がいてくれたお陰で、よりいい思い出ができました。
ありがとう、青年。
そして、以前と変わらぬゆったりとした雰囲気でお店を営み続けていてくれた店長さんにも、ありがとう。
감사합니다
入るのにちょっと勇気が要りそうな感じだけど、
なんだかいい感じだと思いませんか?
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