グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

ユニボイスをいろんな紙に印刷してみました

2024-04-22 15:10:39 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。音声コード Uni-Voice(ユニボイス)への対応もしています。

音声コード ユニボイス(Uni-Voice)を掲載するにはいくつかの基本技術仕様あります。そのひとつに用紙の規定があります。
日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)のwebサイトには
「光沢及び凹凸のある用紙は、避けてください。 上質紙、再生紙(R100 白色度65%以上)、コート紙を推奨します。尚、色上質は、薄系統なら各色の色上質紙に対応可能です」
とあります。

見えない人、見づらい人への情報保障が第一の目的ですから、技術仕様に則ることは大切なこと。
とは言え「名刺やパンフレットにちょっと質感のある用紙を使いたい」ということもありますよね。
そこでどのような用紙で、どのようなサイズなら読み上げることが可能なのか検証してみました。

今回検証に使用したのは株式会社竹尾が販売している『アラベール』『サガン』『OKミューズガリバーEX』『ロベール』『わたがみ』の5種。


▲『アラベール』『サガン』『OKミューズガリバーEX』『ロベール』『わたがみ』を検証



▲5種の用紙を検証した結果。△は、読み取り時間がかかったり、読めたり読めなかったりと結果が安定しなかったもの


結果としてはっきりしたのは、

「エンボス加工された用紙は使用しない方が良い」
エンボスの凹凸によって、ユニボイスコードを構成するドットが正常に読み取れなくなっているようです。

とはいえある程度の質感のある用紙でも使用は可能であることもわかりました。
もちろんいくつかの条件があります。

1、誤り訂正を“強”にする
「誤り訂正」とはコードの汚れとゆがみ補正し、読み誤りを少なくする機能です。誤り訂正を強くすると収録できるデータ量が少なくなりますが、小さなサイズのコードでも読める可能性が高くなります。

2、情報量は少なめに
『OKミューズガリバーEX』のSモードでは、153文字、188文字分のデータを収録したコードは読み取れましたが、218文字を収録したコードは読み取れませんでした。 
情報が多ければコードは複雑性を増し、少しの汚れやゆがみで読み取りが不可能になることがあります。
用紙のテクスチャーから受ける影響も大きくなると思われます。

ユニボイスコード内の情報を抑えつつ、コードが持っているハイパーリンク機能を活かし、それを入り口とした導線設計をお奨めします。

「こんな用紙に印刷したい」などのご希望があれば、当社の高精度プリンターで試作もいたしますのでご相談ください。
音声コード ユニボイスの可能性を広げて、多くのものに掲載されるようになることを期待しています!


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