グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

「ルーヴル美術館展」特別夜間開館

2018-08-27 12:10:10 | 六本木探訪
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
当社向かいの国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展」に行ってきました。「ルーブル美術館展」はこれまでにも何度か開催されていますが、今回は「肖像芸術——人は人をどう表現してきたか」と題して、時代もさまざまな肖像がテーマ別に展示されています。


▲向かいの国立新美術館では「ルーブル美術館展」が開催中です。


数々の肖像には、権力のあるさま、強さ、美しさなど「自分をこう見せたい」「こういう自分を残したい」という人々の思いが見られました。が、《ブルボン侯爵夫人、次いでブローニュおよびオーヴェルニュ伯爵夫人ジャンヌ・ド・ブルボン=ヴァンドーム(1465~1511)》は全く異質なものでした。
この作品の女性は、顔も体も肉が削げ落ち、腹部にはウジがわき大腸が出ています。このような姿を残したのはなぜか。女性ならなおさらこのような姿を残したくないだろうになぜ?

今回私は高橋一生さんによる音声ガイドを借りたのですが、このガイドではその疑問に答えてくれました。《戴冠式の正装のナポレオン1世》の像のところでは、ベートーヴェンがナポレオンに "捧げようとした" 交響曲第3番「英雄」をBGMに、その時の逸話を聞くこともでき一層興味を惹かれました。

本展示会は他にも、27年ぶりの来日となる《美しきナーニ》、大理石で作られたとは思えないほど繊細な表現の《トガをまとったティベリウス帝の彫像》、1世紀にイタリアで制作された見事なカメオなど、たくさんの見どころがあります。
今日から9月2日までは「特別夜間開館」もされるようです。昼間は待ち時間がかなりあるようですが、夜は比較的空いているようなので足を運んでみてはいかがですか。




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元号の変更にそなえて

2018-08-20 11:09:03 | デザインいろいろ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
今年はあちこちで「平成最後の夏」というフレーズを耳にしました。そう、平成は残り1年もありません。にも関わらず次の元号はまだ公表されず、ことによっては新天皇の即位後に公表、という案もでてきているとか。いろいろ思惑もあるのでしょうが、一般企業においても元号変更への対応はあちこちで必要になってきます。

今年に入ってクライアントさんの返信用封筒の刷り増し依頼がありました。差出有効期限の変更も必要で、「平成32年3月31日」への変更というご指示でした。でも平成32年が無いことは明らか。そこで西暦での記載をご提案しました。


▲「平成」で記載していた期限を、西暦での記載に変更

1年以上にわたって使用する印刷物などはそろそろ年号の記載方法を検討したほうがよさそうです。
またパンフレットやカタログも、元号の変更にそなえて改定の準備をされてはいかがでしょうか。西暦のみで作成する、あるいは新元号発表にあわせて速やかに改定版が出せるようにする、場合によっては全体の見直しも必要かもしれません。お困りの場合はどうぞグラフィックメイトにご相談くださいね!
いつ新元号が公表されるかわかりませんが、できる準備をすすめておきましょう。





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巨匠たちのクレパス画展

2018-08-13 11:07:06 | 親子つれづれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
巨匠たちのクレパス画展 〜日本近代から現代まで〜」が東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催されています。中学生の娘が珍しく自分から「この展覧会に行きたい」と言い出したので私も同行しました。


▲「巨匠たちのクレパス画展」東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中

クレパスなんて子供の画材かと思いきや侮るなかれ。巨匠たちの手にかかるとこんなに豊かな表現ができるのか!とびっくりしました。

そもそもクレパスとは? 
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クレパスは、クレヨンとパステルの良いところを生かした描画材料なので「クレパス」です。クレヨンでもなく、パステルでもない、クレパスだけの描き味があります。
株式会社サクラクレパスのWebサイトより
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ということで、株式会社サクラクレパスの登録商標でした(一般名称は「オイルパステル」)。

「巨匠たちのクレパス画展」では、大正から昭和に活躍した巨匠たちの作品を中心に、現代の作家たちのクレパス画も紹介されています。ほかにもクレパスの開発・普及の歴史が紹介されていたり、多色の特別セットの展示もありました。中でも目を引いたのはサクラクレパス創業90周年を記念したクレパス、これはなんと700色セット! 25色ずつがアクリルキューブに入っていていろいろなディスプレイ方法が楽しめるとのことですが、残念ながら我が家に置くスペースはありません…。「クレパス誕生90年記念 90色セット」はもう少しこじんまりしているうえ波型のトレイも素晴らしく、ぜひ手元におきたいセットです。

帰宅後、娘は机の引き出しに眠っていたクレパスを出してきて、重ね塗りや混色、ぼかしなど、見てきた表現方法をあれこれ試して「ほんとにできる!」「こんなことできる!」とクレパスにも絵画にも、あらためて興味をもったようでした。
親娘それぞれに楽しめた「巨匠たちのクレパス画展」、夏休みにいかがですか。




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ルビを振る基準

2018-08-06 10:51:47 | DTP覚え書き
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
ある研究所の中学生向け冊子制作のご相談がありました。中学生向けということで、内容は平易な文章で執筆し漢字にはルビを振ることになりました。がしかし、「漢字にルビを振る基準」というものが難しいのです。
参考に、とある自治体が中学生向けに制作したパンフレットを見せていただきました。


▲ある自治体が中学生向けに制作したパンフレット


「このくらいは読めるんじゃないかなぁ」と思うような漢字にもルビが振られています。それと、熟語のようなものでも1文字だけにルビを振っているのですね。
一方、娘から借りた教科書がこちら。1年生から3年生まで使うものだそうです。


▲中学の3年間で使用する教科書

自治体パンフレット、教科書とも「状況」という漢字が出てきますが、ルビの振り方が異なります。自治体パンフレットでは「況」にだけルビが振られていて、教科書は「状況」に振られています。それぞれどういった基準でルビを振っているのか? 教科書は何かきちんとした指針があるのか?

ちょっと調べてみたところ、文部科学省の委嘱事業に「教科書の改善・充実に関する研究事業」というのがあり、その中に「漢字表記、提示の仕方を改善・充実させる」という項がありました。一部引用させていただきます。

以下、引用-------------
配当学年にない漢字でも、上学年の漢字をつかいルビ付き表記をしている例は多い。今後も、配当漢字にないが、学習や日常生活で必要な言葉は児童の負担にならない程度に漢字を使用するべきと考える(例えば、「疑問」の「疑」は6年生、「問」は3年生の配当であるが、3年生で語彙として初出のときは「ぎもん」と平仮名表記、上学年になるとルビ付きで示されている。)。日常生活で使うことを考え、ルビを付け漢字表記をすることが言葉の獲得につながると考えるため、できる限り上学年の漢字をルビ付きで使用するよう柔軟に取り上げるべきである。
-------------引用ここまで。

これからすると、今回のように「中学生向け」というものでは、中学3年生までに学習する漢字は中学1年生にも読めるようにルビ付きで表記する、ということになるのでしょうか。となると、小・中学生で学習する漢字はどれか、ということを知っておく必要がありそうです。そのうえで「この冊子はどういう基準でルビを振るのか」という方針を決めて編集していったほうがよさそうです。

対象読者に適した冊子制作、今回の事例も大いに勉強させていただきます。




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