グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

ラジオで聴くロービジョン

2024-09-25 12:38:55 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。その一環として音声コード Uni-Voice(ユニボイス)も導入。音声コード作成も承ります。

新聞を見ていたら「知っていますか? ロービジョン」という記事に目が留まりました。9月23日に文化放送でラジオ放送される番組の紹介記事でした。
そもそもロービジョンとは?
国立障害者リハビリテーションセンター病院のWebサイト「眼科(ロービジョンクリニック)」によれば、

ロービジョンとは、何らかの原因により視覚に障害を受け、「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が狭くて歩きにくい」など、日常生活で不自由がある状態のこと

だそうです。
「視覚障がい者」と聞くと、「全く見えない人(全盲)」と思われることが多く、私自身そう思っていました。でも実際には「視覚障がい者」と言われる人の1~2割が全盲の方で、8割~9割はロービジョンだそうです。
番組ではそういった「ロービジョン」と言われる方の困り事の声や、さまざまな見え方の紹介がありました。

例えば「交通バリアフリー法」によって音響式信号機の設置は増えたけれど、風雨によって音が聞こえないこともある。また夜間は近隣住民への配慮で音を切っているところが多いといった話がありました。
ロービジョンにとって最も重要なのは「移動のための情報収集」とのことですが、公共のものだけでは情報不足で、それぞれがさまざまなサポート機器を使って移動の工夫をしていることもわかりました。

…などなど私があれこれ書くよりも、ぜひ番組を聴いていただきたいと思います。

今回の放送は「知っていますか?ロービジョン~0と1の間」のVol.5で、radikoアプリのタイムフリーでは放送日から1週間は聴取可能です。また文化放送では「文化放送ロービジョンプロジェクト」というサイトがあり、過去の放送をPodcastで聴くことができます。
まずは知ってみることから始めませんか。

当社 グラフィックメイトではロービジョンの方にも伝わりやすい印刷物を制作しています。

グラフィックメイトでは、音声コードの作成や音声コード付き印刷物の制作を承っています。お気軽にご相談ください。

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「点字にふれる」展 点字と音声コードについて考える

2024-09-09 18:06:55 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。音声コード Uni-Voice(ユニボイス)への対応もしています。

ギャラリー エー クワッドで開催されている「点字にふれる」という展示会に行って来ました。


▲「点字にふれる」展の入口


さまざまな展示の中で、「これは点字でなきゃ!」と思ったのは「てんじつきさわるえほん」。
子どもに「絵本読んで」と言われた視覚障がいのあるお母さんが、見えなくても子どもと一緒に楽しめるように、と制作された絵本です。

この絵本はボランティアの方によって点訳されるそうですが、印刷方法や製本方法、さらには配送にも工夫が凝らされていて、一般書籍の制作をする身としてはその工程や手間が具体的に想像されました。
その結果出来上がった絵本は、見えないお父さん・お母さんがお子さんに読み聞かせができる、子どもは親と一緒に一つの絵本を楽しめる、という大きな喜びに繋がっていくのでしょう。
これは音声コードではできないこと。絵本自体はデバイスの音声で読み上げることができますが、お父さん・お母さんの肉声で読んでもらうのとはまったく違います。

身近なものについている点字が紹介されているコーナーもありました。缶ビールやふりかけ、ジャムなど、気づいていないだけで意外と身近に点字付きの製品があるんですね。
来場者はさほど多くありませんでしたが、かなり分厚いレンズの眼鏡をかけたお子さんと親御さんもいらしていて、お子さんは点字を読んでいました。


▲身近にある点字付きの製品


帰りがけには受付で販売していたパンフレットを購入。実際の点字で書かれているわけではなく普通の印刷でした。
これには音声コードがついていたらいいんじゃないかなぁ、と思いました。だって、先ほどのお子さんのように見えにくい方が手に取るかもしれないじゃないですか。
展示会の内容からすれば点字がいいのでしょうけれど、点字の識字率は高くないことを考えれば、音声コードが現実的だと思います。


▲本展示会のパンフレット。点字も音声コードもついていない


点字に触れてみて、点字は点字として必要なシーンがあることがわかりました。点字絵本は「読み聞かせ」ができて、お子さんとのコミュニケーションとしても大切なものだと実感しました。
一方で、やはり音声コードが有効なシーンもあると思いました。デバイスの音声ではありますが、コストを抑えつつ情報を伝えることができます。
いろいろなツールの良さや得意なことを知り、当社の提供するユニバーサルデザインの質を高めていきたいと思います。

社会のダイバーシティを考える 6つの点から広がる世界 点字にふれる
会期:2024.7.26㊎〜2024.10.24㊍
場所:ギャラリーエークワッド(東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1F)

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グラフィックメイトでは、音声コード ユニボイス(Uni-Voice)を掲載した名刺、パンフレット、DMなどの制作に対応しています。
協力会社との連携で切り欠き加工付きの印刷までサポート!
印刷物のユニバーサルデザインに関するアドバイスやコンサルティングも行なっています。
お気軽にお問い合わせください。

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選挙管理委員会に伺いました

2024-09-06 18:18:46 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。音声コード Uni-Voice(ユニボイス)への対応もしています。

都内のある自治体関係の方が、音声コードに大変興味を持ってくださいました。
「うちの自治体でもすぐに取り入れるべき。選挙管理委員会に説明してほしい」

ということで行って参りました!
音声コードの使い方や機能、作成方法、切り欠きのことなどをご紹介・ご説明しました。とても真剣に聞いてくださったのですが、やはり実際に取り入れるとなるといくつかの課題があるとおっしゃいます。


▲選挙入場券の裏面。左下に音声コードと切り欠きがついています


まずは時間の問題。
任期満了に伴う選挙の場合は予定が立てられるが、解散総選挙の場合は急で、準備の時間が極めて短い。期日前投票の人もいるから早めに住民の手元に届けないといけないが、現在の「選挙のお知らせ」の準備もギリギリとのこと。

そして印刷会社の対応。
いま発注している業者が切り欠き対応できなかったら、新たに入札等の手続きをとって業者を探さないといけない。そこにも時間がかかる。

…何年も前から音声コード付き選挙のお知らせを郵送している区もあるのですけれど。


他区の状況を調べている中で、興味深い記事を見つけました。

「話す選挙公報」じわり拡大 音声コード活用、視覚障害者の要望強く
(2010年7月8日 日経新聞)

これによると
「選挙公報向けには2007年の参院選から、社会福祉法人「日本盲人福祉委員会」(東京・新宿)が中心となって本格的に作成が始まった」

10数年も前から音声コード付きの選挙公報が作成されていた事実に驚きました。コスト面で言えば、音声コード作成は当時よりずっと安価になっているはず。行政機関は、平成28年(2016年)には合理的配慮の提供が義務付けられていたはず。
にもかかわらずいまだに東京都ですら全区の利用に至っていない。ネックになっているのは一体なんなのでしょう…。
当社に解決・お手伝いできることはないでしょうか?
もしあればぜひお知らせください。

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地域共生社会促進助成事業 活用のススメ

2024-09-04 18:05:58 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。その一環として音声コード Uni-Voice(ユニボイス)も導入。音声コード作成も承ります。

世田谷区では「商店等における地域共生社会促進助成事業」として、障害のある方が商店や事業所等を利用しやすくなるための物品購入や物品作成する経費を助成する事業が行われています。

●物品の購入
上限は7万円。「段差解消用簡易スロープ」「筆談ボード」などの購入が対象です。

●物品の作成
上限は5万円。「点字メニュー」「写真付き音声コード入りメニュー」「コミュニケーションボード」などが対象です。


▲世田谷区の「商店等における地域共生社会促進助成事業」のリーフレット


世田谷区のWebサイトには、本事業の実績一覧も掲載されています。
それによると平成30年度の助成対象物品は、「簡易筆談器」と「段差解消用簡易スロープ」が圧倒的に多くなっています。
令和元年度になると「点字メニュー」がちらほら出てきて、令和2年度以降、実績の公表されている年度では半数以上が点字メニューです。令和5年度の実績に至っては80%以上!

いくつか推測されることはありますが、ドラマの影響もあるかもしれません。

『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール』 2021年(令和3年)10月〜放送
『ラストマンー全盲の捜査官ー』    2023年(令和5年)4月〜放送

案外『ラストマン』効果かもしれませんね〜。時期的にも。

事実はわかりませんが、ここで気になるのは「点字」の識字率。
点字の識字率は視覚障がい者の10%程度と言われています。子どもの頃から全盲で盲学校に行かれた方は点字も難なく読めるようですが、中途失明の方が点字を習得するのはなかなか難しいそうです。特に高齢になってから点字を覚えるのは困難であるにもかかわらず、高齢になってから失明する方が多いのが現実。ロービジョン(弱視)の方も点字を使える方は少ないと聞きました。

ということは「点字メニュー」より、「写真付き音声コード入りメニュー」のほうがより多くの方に有効だと思うのです。
音声コードがあれば、全盲の方もロービジョンの方も音声でメニューを聞くことができます。また学習障がいの一つである読字障害の方にも有効です。

本助成金は、「メニュー」という言葉のせいか飲食店や理美容店の利用が多いようですが、福祉作業所や不動産業、アパレル関係の事業者さんも利用されています。柔軟に幅広く考えて良いのではないでしょうか。
多様なお客様をお迎えする小売店の皆さん、「写真付き音声コード入りメニュー」もぜひご活用ください。

グラフィックメイトでは、音声コードの作成や音声コード付き印刷物の制作を承っています。お気軽にご相談ください。

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豪雨で通信不能 記録的短時間大雨情報

2024-09-03 15:39:34 | 小さな会社のひとりごと
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物やWebサイトなどのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。音声コード Uni-Voice(ユニボイス)へのご対応もしています。

8月21日、港区付近に「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
私は帰宅しようと18時過ぎに外に出たのですが、ものすごい雨!風も強く、最寄り駅までの数分を歩いただけで足元がぐっしょり濡れました。
その後も「記録的短時間大雨情報」が出るほどではないものの、かなり大雨の日がありました。

そうしたらついに!
事務所の通信関係が全く使えなくなりました。


▲国立新美術館への通路は、雨が溜まっている。雨が白い筋状に見えている

雨が小雨のタイミングを見計らってなんとか出社した8月30日。パソコンを立ち上げいつもどりメールを受信…と思ったらなかなかメールを読み込まない。あれ?と思って事務所の固定電話の受話器を取ってみたらウンともスンとも言わない。

ルーターやらWi-Fiやらを確認してもコードが抜けているわけでもない。
仕方なくスマホからインターネットの契約会社に電話したところ、接続機器の再起動などを試したすよう言われましたが何をしてもダメ。
回線に問題があるかも、とのことでNTTと連絡を取ることになりました。
これもすぐには連絡が取れず、先方からの連絡待ち…。

NTT東日本の故障受付の方から連絡があり、事務所の入っている建物名を伝えたところ、同様の不具合連絡が入っているとのこと。
「このところの豪雨であちこちで不具合が起きているので復旧はいつになるか明確には答えられない」ということで、この日(30日)はほとんど仕事になりませんでした。
そんな中でもお問い合わせフォームから音声コード作成のご依頼があったのを、スマホで確認できたのは幸いでした。

それにしても、インターネットが使えないというのがこんなに仕事に影響するとは!
メールの送受信はもちろん、制作してもクラウドに上げられず「続きは自宅で」もできない。
まさに生活インフラであることを実感しました。
今後はこういったことも増えるかもしれないので対策を講じねば、と思います。

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