グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

PTA広報誌 こだわりもほどほどに

2019-06-27 11:52:33 | PTA広報委員の覚え書き
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
娘の高校のPTA広報委員になって担当した、最初の広報誌がまもなく校了となります。
この間、運動会や球技大会などの大きなイベントがあり、取材や原稿作成に奔走していました。学年ごと、あるいは学年をまたぐ連絡や打ち合わせを通じて、高校のことをそれなりに把握できるようになったのは大きな収穫です。


中学でもPTA広報委員を経験しましたが、毎年引き継ぐ「制作方針」「編集方針」のようなものはなく、その年の広報委員たちがその年ごとに方針を考えて進めていました。一方、高校の広報委員会では「制作方針」「編集方針」がきちんと決まっていて、毎年引き継がれていました。今回私はデザイナーとしてではなく、あくまでも制作の立場で関わっているので、広報委員会の方針にそって制作をすすめデザイナーさんにお願いをすることになります。

日頃デザイナーの立場で原稿を受け取るときは、「あとから直さなくていいように、ちゃんと編集方針にそった原稿をいただきたい」と思っていましたが、これはなかなか難しいことだとあらためて実感しました。敬称の付け方、記名原稿の場合の取り扱い、全体を通しての表記の統一…。あとから修正しなくて済むよう、完璧な原稿をデザイナーさんに渡すぞ!という意気込みとは裏腹に、初稿を出してもらってから細かい直しがポロポロ出てきました。
きっと当社のクライアントさんたちも、できるだけ直しが無いように努力をしてくださっているんだな、と改めて思いました。

またPTA広報誌などの場合は「なんでもかんでも絶対に間違えてはいけない」と思う必要はない、むしろ思わない方がいい、ということも新たな発見でした。今回は「ドッチボールかドッジボールか」といったことが出ましたが、それこそどっちでも意味は伝わります(「朝日新聞の用語の手引」ではドッジボール)。スポーツ雑誌だったら競技名の表記間違いは問題かもしれませんが、PTA広報誌で表記が少々違っていてもどなたかを傷つけるわけでもなく、失礼にあたるわけでもありません。学校の発表と生徒の作ったプログラムが違っていたら「○○に準じました」ということで良いのでしょう。PTAなどはボランティアで参加しているのですから、こだわりすぎて参加している方々が不快な思いをすることがあってはいけませんね(自戒の念をこめて)。

こだわりもほどほどに。制作側の事情も理解しながら仕事も進めていきたいと思います。

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脳年齢、測ってみます?

2019-06-21 14:24:14 | 六本木探訪
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
六本木のメルセデスベンツショールーム(Mercedes me)の隣にオープンしたEQ House
外観の印象はまるでクリスマス仕様。何の施設?と思っていましたが、竹中工務店とメルセデス・ベンツ日本による、「リビングとモビリティを繋ぐ」というコンセプトを体現した建物だとのこと。


▲六本木のメルセデス・ベンツショールームの隣 EQ House


電動化が進むとモビリティは家の中に入り込むそうです。リビングの隣にガレージを作って、愛車を眺めながらコーヒーを飲んだり、お酒を呑んだりする人もいるくらいですから、まあそうなのかなと思わなくもないのですが。いや、それとは違う?
それはさておき、そのEQ Houseでは6月30日まで脳年齢を測定してくれます。


▲脳年齢を測定してくれる?!

『脳年齢』で調べてみると、4千万件以上のヒット。結構なバズワード?! 試しに上位表示のサイトを開いてみると、訳のわからない質問に答えさせられたり、パズルを解かされ挙句「あなたの脳年齢は130歳」とか。130歳ってどんな人間なのよ? 長命だった祖母でさえ102歳だったわよ? アタマの中にクエスチョンマークが乱舞状態。そしてちょっとばかり回答を変えたら0歳に!

いいのかこれで『脳年齢』と思いつつ、EQ Houseサイトを確認すると、EQ Houseでは脳波を測定して分析するんだそうです。「脳波を分析することでわかる脳年齢と、年齢・年代別の脳の能力を理解することで、年を重ねながら脳の能力を楽しむことができる“Beautiful Aging”を実現」するそうです。この、年を重ねながらというのは確かに重要ですよね。脳波を測定するというのも何だか良さげ。
130歳が何歳になるのか? 改めて脳年齢、測ってみますか。


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「あってはならないミス」を防ぐ

2019-06-17 11:19:56 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
先日、『東京都のウェブサイトで、児童虐待防止を啓発するマスコットキャラクターの紹介文が「児童虐待推進キャラクター」と、「防止」の文字が誤って抜けていた』というニュースをやっていました。ご覧になった方もいらっしゃることでしょう。


▲「OSEKKAIくん」の紹介文部分の「防止」が抜けていた

「あってはならないミス」としてニュースで取り上げられていましたが、こういうミスは実は意外とあるものです。
今回ほどの大問題とまではいかないまでも、メインタイトルや重要人物の名前・肩書きなど「間違えてはいけない」ところの間違い。こういうミスは、校正する人が多い時ほど生じやすいように思います。「大事なところだからみんなが確認しているはず」「重要人物だから誰かがチェックしているはず」という気持ちを、無意識に持ってしまっているのではないでしょうか。

多くの人がチェックすることは校正の精度があがり間違いを見つけやすくなる一方、どこかで人任せになってしまうこともあります。人数が多いときは漫然とみなが同じように校正するのではなく、注力する点を分担するという方法もあります。例えば…
●原稿作成者や発行者として確認するチーム/元の原稿とのひき比べをするチーム/一般の読者・閲覧者の視点で見るチーム
●見出しを中心に確認するチーム/本文の誤字脱字を確認するチーム/内容の齟齬を確認するチーム

社史や年史などの場合は
●年号を確認するチーム/その時点での肩書きや人名を確認するチーム/本文と年表との整合性を確認するチーム

といった分担も有効です。
「チーム」の人数が多いとそれはまた「人任せ」が発生しかねないので、注力項目を細かく分けて一人一人の責任を明確にする、というのもポイントです。
一人一人が責任を持って校正し、「あってはならないミス」を防ぎましょう。

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漢字は絵。「平野甲賀の文字群」展

2019-06-11 11:07:08 | デザインいろいろ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
「平野甲賀」というグラフィックデザイナーをご存知でしょうか。装幀家、ブックデザイナーと表されることもあります。名前は知らない、という方も、きっとその作品のいくつかは目にしたことがあることでしょう。


▲平野甲賀氏の描き文字による装丁。我が家の本棚にもありました。


独特な描き文字による平野氏の装丁は、半世紀にわたって出版界を牽引し続け、氏が手がけた装丁は7000冊以上にも上るそうです。また、舞台やコンサートのちらしやポスターも多数手がけてこられました。
そんな平野氏の100作品が収められた電子書籍『平野甲賀100作』が出版されました。その収録作品の中から選ばれた作品が展示されているのが「平野甲賀の文字群」展 です。


▲「平野甲賀の文字群」展のチラシ


展示されているのは収録作品の一部ですが、これまで書店で見たことのある装丁がいくつもあり、「あ、これも?!」と改めて思いました。
展示作品のひとつに般若心経を描き文字で表現したものがありました。般若心経では「空」とか「無」などいくつかの文字が何度も登場するけれど、造形が重複しないようひとつの文字をそれぞれ違う形で表現しているそうです。
漢字は絵。それぞれがもつ意味をデザインし表現するーーー。
写真やイラストに頼らずとも文字のデザインで見せる。そんな表現について改めて教えられました。

「平野甲賀の文字群」展は下北沢「本屋B&B」で6/2〜6/16の開催です。

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電話アイコンってどんなかたち?

2019-06-06 11:17:17 | デザインいろいろ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
ある法人さんの会社案内パンフレットを作成中です。教育に関わるBtoCのお仕事なので、パンフレットをご覧になるのは一般の保護者の方。インフォグラフィックやアイコンを取り入れ、わかりやすく楽しいデザインを心がけています。

そんな中、電話アイコンを使おうと思ったところで手が止まりました。いま、電話ってどんなイメージ???
高校生の娘などに聞くと、「電話=スマホ」のようで固定電話のイメージが薄いようです。でも個人的には固定電話を模した電話がわかりやすい気がします。とはいえ固定電話にもさまざまなタイプがありまして。


▲固定電話も時代によって変化しています。伝わりやすい電話アイコンは?

さすがにダイヤル式電話を使っている人は稀でしょうが、アイコンにしたときは伝わりやすいでしょうか。いや中高生にはかえって伝わらないかも?? フリーダイヤルの場合は決まったロゴがあるので悩まずに済むのですが…。
さて今回はどんなアイコンがふさわしいでしょうか。

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