グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

本好き 紙好きにはたまらない「市谷の杜 本と活字館」

2025-02-13 14:36:53 | ブックデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。音声コード Uni-Voice(ユニボイス)への対応もしています。

2020年11月にオープンした「市谷の杜 本と活字館」は本づくりの文化施設です。活版印刷を事業の原点とする大日本印刷印刷株式会社の市谷工場が、竣工当時の姿に復元されてモノづくり工房として生まれ変わったものだそうです。

今は「ようこそ魅惑の書籍用紙の世界」という企画展が開催中。娘から「お母さん好きそうな企画展あるけど一種に行かない?」と誘われ行ってみました。
この企画展では「書籍用紙」という、本のためのさまざまな用紙が展示されています。その数なんと61種!
B5サイズに裁断された用紙が台に並べられていて、この中から好きな用紙を選んで(全種類選んでもOK!)自分だけのオリジナルのノートを作れるというもの。それぞれ微妙に色や厚みの違う61種、全部欲しいに決まってます!

B5サイズの用紙が乗っている台の上には、その用紙の全紙(裁断されていない紙)が吊るされていて自由に触れます。
それぞれ触ってみるのですが、全紙を触ったときとB5サイズに触ったときでは触り心地が微妙に違うように思えます。不思議。
あとでスタッフの方に話してみたら「そうなんです。サイズによって張りとか変わるんですよ。それに気づいてくれて嬉しいです」ほんとに紙がお好きなんですね。


▲カラフルな用紙は裏表紙用。奥に向かってさまざまな書籍用紙が並んでいる


▲台の上にはB5サイズの用紙が重ねて置いてある。上から吊られているのは全紙サイズの用紙


目に優しい紙色、文字の透け具合、触り心地…書籍のための白を基本とした用紙でもそれぞれ違いがあり特性がいあります。当社はデザイン会社ではありますが、社史・年史、記念誌などの「本」を作る会社でもあります。お客様から相談されたときにはいろいろご提案できるようにしておきたい。
今回のオリジナルノートはそういう意味でも貴重なサンプルとなりました。娘、でかした!

企画展は2階の展示室で開催されていましたが、2階には制作室というコーナーもあり、卓上活版印刷機ほかさまざまな印刷機があり、しおりなどオリジナルの印刷物を作ることができます。2階の一角には図書閲覧コーナーがあるのですが、ここのベンチはなんと、大きな活字になっています。
1階は常設展で、活字を作るところから本ができあがるところまでの工程を見ることができ、これも興味深い。
竣工当時の姿に復元された建物もとても趣があり、温かみを感じる空間でした。


▲大きな活字になっているベンチ


▲竣工当時の姿に復元された「市谷の杜 本と活字館」


企画展「ようこそ魅惑の書籍用紙の世界」は2月16日までですが、次の企画展は2月22日(土)から予定されています。
ぜひ一度足を運んでみてください。
「市谷の杜 本と活字館」のWebサイトはこちら

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ナビレンスみつけたよ

2025-02-05 14:21:01 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、視覚情報を誰にでも伝えるためにユニバーサルデザインに取り組んでいます。その一環として音声コード「 Uni-Voice(ユニボイス)」の掲載や、行動支援コード「NaviLens(ナビレンス)」の導入サポートを行なっています。

現在 建て替え工事中の世田谷区役所新庁舎に、行動支援コード「NaviLens(ナビレンス)」が設置されました。ナビレンスの導入支援サポートを行う当社はさっそく体験しに行って来ました。

世田谷区のWebサイトによると

「現在、建て替え工事中の世田谷区役所新庁舎は、完全竣工後には敷地面積が約21,000平方メートル、延床面積約73,000平方メートルになり、区内でも大規模な公共施設となります。区では、庁舎を訪れた人が、より便利に、多様な情報を得ることができる方法を検討しており、スマートフォンアプリ「NaviLens(ナビレンス)」を使用した実証実験を実施しています。アプリをダウンロードの上、ぜひご利用ください。」

と紹介されています。

世田谷区はユニバーサルデザインへの取り組みが都内で最も進んでいる区です(当社の感覚)。区から発行される印刷物の8割以上(当社の感覚)に「音声コードUni-Voice(ユニボイス)」がついています。
そんな世田谷区が、行政としてはたぶん全国に先駆けて取り組んだナビレンスの設置です。


▲世田谷区役所の入口に設置されたナビレンス


▲インフォメーションにも設置。施設の概要案内が聞ける


▲ここがギャラリーであることや展示内容の概要が紹介される

設置されているのは世田谷区役所 東棟の1階、2階の全6箇所、実証実験であるためか数は少ない印象です。
それでも詳細な案内が聞けるので、日本語が苦手な方にはかなり有効だと思います。

そうなんです。

ナビレンスは「視覚障がいの方のための行動支援コード」として紹介されることが多いのですが、実は 37言語 に対応しているため、日本語が苦手な外国人の方にも大変威力を発揮します。
スマートフォンの言語設定を変更すれば外国語で案内を聞くことができるんです。インバウンド対策にも最適

この実証実験は令和7年3月下旬頃まで、という予定になっています。その後は庁舎への本格導入が検討されるのかもしれませんが、まずは今!ナビレンスをぜひ試してみてください。
読み取り速度、距離、対応言語数などが本当に素晴らしいうえ、障がいの有無や使用言語に関わらず、多くの方に情報をお伝えできるアプリです。

これをきっかけとして、行政だけでなく多くの施設にナビレンスが導入されることを期待しています。
当社も導入サポートを行なっていますのでぜひご相談ください。

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