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君は誰?56

2025-03-15 07:49:20 | 日記
「コメント?」

ブログそのものは、10話くらいの話になっているが、階段の踊場の鏡のくだりの部分に、そのコメントは書かれていた。

『その鏡は、呪われています(M)』

そして、ブログ主が返事…、

「知っているんですか?」

『椅子に座って鏡をみました。例のものが、僕に取り憑きました』

「本当ですか?」

……そこから先は返信もない状態で止まってしました。

「(M)って、松田じゃ…?」

そこまで言うと、正人は口ごもった…。

君は誰?55

2025-03-11 11:26:59 | 日記
「どう違うの?」

「あの時、あの状態で読んだからハッキリ覚えているワケじゃないんだけど…。あの時のブログとは違うと思う…。」
 
「もう、何年も経ってるから、これを書いた人も、だいぶ大人…って言うか、年をとってるはずだよな…。」

「ちょっと、このブログの途中、見てみて!」

「途中?」

「うん。途中って言うか、このブログ主に"ある人"がコメントしてるんだ。」



君は誰?54

2025-03-07 09:45:29 | 日記
ーーーあれから何年かが過ぎた。。。

松田の引っ越し先を知らないまま…というか、聞かない方かいいのではないか…とさえ思った。

直樹は社会人となり、相変わらず正人とは時々酒を飲む。

なんとなく、松田の件は話題には出せずにいた。

「おい、これ見ろよ。」

ある時、正人が声をひそめてスマホの"あるページ"を見せてきた。

「これ…」

そのページのタイトルは、『学校にある鏡』

「これって…。あの日、学校探索していた時に、お前が開いたページじゃないか…。鏡を見つけた時に、学校の卒業生が書いたブログだよな。」

「うん。…最初、そう思ったんだけど、それがちょっと違うんだよ……。」



君は誰?53

2025-03-03 12:23:27 | 日記
松田の転校を知って、どうしても松田に会いたい…と思い、その日のうちに、直樹と正人は、松田の家に向かった。

「ピンポ~ン!」

…誰も出ない。

「ピンポ~ン!」

「誰もいないな…。もう、引っ越した?」

「まさか!昨日の今日で、そんなに早く引っ越しなんて出来ないよ」

正人は、台所の窓にうっすらと見える、台所用品を指差した。

「まだ、引っ越してないよ」

「…だけど、今日も誰もいないな…」 

正人は、また、2階の窓を見上げた。

「松田~!」

しん…と、している。

「何で誰もいないんだろう…。引っ越しの準備なのかな?」

「…そうかも…」

「松田…大丈夫かな…」





君は誰?52

2025-02-27 09:54:26 | 日記
手のひらが、まるで助けを求めるかのように、すりガラスごしに見えて、すっと消えた。

やっぱり松田が変だ…。
 
それからしばらく、松田は学校へ来なかった。

「松田だが、急遽、家の都合で転校する事になった。」

「転校?!」

落ち着けば、いつも通りの笑顔で登校するものだと信じていた直樹と正人は、思わず声をあげた。

「先生!転校って?本当ですか?」

「嘘で転校するワケがないだろう!」

クラスの中でクスクス…と、笑いが起きた。

「どこに?」

始業のベルが鳴って、最後の質問が聞こえなかったのか、先生は教室を出ていく。