ギギギギッ…ゆっくりと、蓋が開いた。
「思ったより簡単に開けられたね…」
梨花が溜め息をついた。
「もっと厳重にしているかと思った…」
薄暗い中、そっと覗き込むと、そこには白い箱がポツンとひとつだけ入っていた。
「これを、どうするの?」
「とりあえず、物置小屋に持って行こう。」
「二つを近づけて大丈夫かな?」
「わからない…。それじゃ、この先の"やり方"を衣栄ばあちゃんに聞いてからにしようか…」
その日、その大きな木箱は、再び閉じて、衣栄おばあちゃんの話しを待った。
その後数日は、
衣栄おばあちゃんが、認知症が出てきているため、なかなか思うように話しが聞き出せずにいた。
幹太もまだ退院ができずにいた。